1.《ネタバレ》 結構、ガツンとやられました。
以前よりエログロと嫌味、皮肉、悪意の塊を作品として成立させる稀有な監督だと思っているのですが、
今回はキリスト教がターゲットで、大丈夫かいなと。
もともとキリスト教系の作品では思うことが多く、
大きなところでは、スコセッシの「最後の誘惑」や「沈黙」なんかも
いわゆるキリスト教視感とは異なる内容で物議を醸しだしたりしました。
それら作品にもいろいろ考えさせられた上で、
大丈夫かいなと、今作を不安と期待で視聴。
結論として
信仰や宗教に関わるのが人間であるという生々しさで、
ヴァーホベンの斜に構えた問いかけに圧倒されて見終えました。
ベネデッタがキリストの使途であるような、
ただの妄想や権力にとらわれた女性なのかは明確に描かれず、
でも否定的に振るまっていたフェリシタ前院長は迷うことなく
ベネデッタを信じて火に身を投じる姿が印象に残ります。
批判されることが多い監督ですが、信じて観て良かったと思える作品でした。