2.最初は重いアクションと言うイメージで見てみたんですよ。出だしから「あれ?」と言う感じですね。全くと言って良いほど緊迫感がない。役所広司演じる佐々は飄々としっぱなしだし、音楽はなんだかコミカルだし(笑)みんながみんななんかやる気無さそうで。で、傍と気付きました。「ああ、そうだよ。この人たちは仕事で赤軍と闘っているんだ」そう思ったとたん、頭のスイッチが切り替わり非常に興味深く見ることができました。これは戦うヒーローを描く映画じゃない、任務を全うしようとするサラリーマン達の物語なんだと。警察だって公務員というサラリーマンです。そう思うと今まで憎たらしく思えていた長野県警の人達にも愛着が出てきました。それぞれが自分の仕事をやりたいと思えば衝突が起こるのは至極当然の事。仕事の中にはミスもある。混乱もある。(このミスが文字通り命取りになる事も…)だもんだから最後逮捕の瞬間というのは、大きな仕事がとりあえず一つ終わったということなんですね。私が好きな場面はラストシーンです。一日休んで、彼らはまた次の「仕事」を続けていくわけです。この映画はすばらしい。戦う男達、ではなく働く男達の映画として満点です。