3. ノエル・カワードの渋い原作をコレ又激シブ且つ格調高く映画化したデビッド・リーンの最高傑作!!所謂不倫モノのルーツなんだが、「○曜サスペンス」や昼メロみたいな下品さ・俗悪さは微塵もナシ!!昨今の映画人は派手なSFXやアクションやお笑いなんぞにうつつを抜かす暇があったらコレを観よ!!と声を大にして言いたい。シリア・ジョンスン演じる人妻が、品格はあるが(目がギョロッとして)冴えないルックスなのも本作では実に説得力大である。ここでヴィヴィアン・リーみたいな絶世の美女なんか出てこられた日にゃウソっぽくて興醒めってモンだ。相手役のトレヴァー・ハワードも上品ではあっても、美男子ではないし、実に燻し銀の魅力。ラフマニノフのピアノ・コンチェルト第2番が何とも素晴らしく効果的。派手さもドラマティックさも用いずに二人の微妙な心理をキメ細かく演出する、女性映画の雄リーンの本領が発揮されまくった本作に…言うまでもなく10点満点で御座います。