1.ローレンス・フィッシュバーンって私は「マトリックス」で初めて存在に気づいた大バカ者なんですけど、この作品の彼は一見の価値がありますね。黒人スターで正統派のギャング映画をやっちゃおうというコンセプトも素晴らしいですが、チャーリー・"ラッキー"・ルチアーノをアンディ・ガルシアが演じるというのも鳥肌モノです。私は基本的にマフィア物が大好きなんですが、これは「グッドフェローズ」と並べても良いくらいの傑作だと思います。全体的にフィッシュバーンの存在感に頼るところが大きいですが、その存在感が図抜けているのでOKかと。ある程度時代背景などがわかっていないと苦しいと思いますが、こういう世界が好き~っ、という人しか見ない作品だと思うので、好きな方には力一杯お勧めできます。ダサさに徹したティム・ロスはやっぱり異常に上手いですし、ルチアーノ役のアンディ・ガルシアもハマり役です。ルチアーノがアメリカ・マフィア史上いかにずば抜けたスーパースターか、ということがわかっていて初めて理解できるバンピー・ジョンソンの大物ぶりだと思います。ちゃんとお約束の機関銃乱射もあったし、ギャング映画のツボはきちんと押さえた作品です。フィッシュバーン、上着の第一ボタンをちゃんとはずしてますし、細かいところに手を抜いてない、きちんと丁寧な作りに好感が持てました。オーソドックスなギャング映画であり、ブラックムービーでもあり、古き良き時代のキネマの香り漂う品格があり、観ていて非常に痛快な映画でした。しばらく我が家に「マフィアの時代」が再び台頭するかも知れません。