2.《ネタバレ》 ローレン・バコールの登場シーンの格好良さ。
「Anybody got a match?」というオフの声、既に咥え煙草で扉に寄りかかるバコール。
ハンフリー・ボガートが投げたマッチ箱を乱暴に受け取り、ボガートに一瞥くれて煙草に火をつける。
火の消えたマッチを後ろにぽいと投げ捨て「Thanks」と捨て台詞。
煙を吐き出し、マッチ箱をボガートにぽいと投げ返し消えていく。
これが映画の粋だ。かっこいい。痺れる。
この後も幾度となくボガートはバコールの煙草の火を付けてやるのだが、一度立場が逆転する。
客が払うべき金を踏み倒そうとしたことに気付いたボガートは、その客に詰め寄る。
その時に隣にいたバコールは、ボガートが煙草を口に咥えるか咥えないかの瞬間に、
それはその行動を読んでいたかの如く、マッチに火を付け、ボガートの顔前に出すのだ。
この行動の俊敏さ。かっこいい。
この映画の登場人物たちは皆活き活きとしている。もうそれだけでいい。
最後のバコールの腰振りダンス、ボガートに腕を掴まれた時の笑顔。泣ける。
そしてその後ろを鞄を持ったウォルター・ブレナンが、こちらもちょいとリズムを刻んでふたりに付いていく。
最高。