1. 俺にとって、この映画は最上にして、正視に耐えない地獄。
かの「異端の鳥」も観てきたが、この悪夢には勝てないと思った。
まさに地獄がここにあるのだ。
ゴチャゴチャは言わない。
世界情勢とか事実と比べてではない。
実際にあった出来事を無視してこの物語を知れ。
「観る」のではなく「見る」がいい。
この世界に入り込み、主人公の目線で見ろ。
撮影カメラの視点ではなく、このキャラの目で見て、そして感じ取れ。
そして、地獄のような世界で…
ただ翻弄されて、蹂躙されて生きるのだ。
死にたいと願っても叶わず、唐突に突きつけられる恐怖
…それが地獄。
地獄は、戦争が作り出すものではない。
もっと根源的に…人間が地獄を恐れるがゆえに、人は人に与えるのだ。
恐ろしき、決して終わりのない――地獄を。