1.印象的だったのは、子供のレイが倒れて「お母さん助けて!」といったとき、母親は息を殺してじっと息子を見守るだけで何もしなかったときです。その時の母親の不安と決心が入り乱れた顔の表情は、非常に素晴らしい。 そして息子は1人で立ち上がり母親を探し当てたのです。母親はそういう息子を見て涙を流しました。母親は、このとき初めて盲目の息子がこれから自立して生きていけるということを確信したのでしょう。まさに母親の愛情は「海」です。しかし母親は体が弱いうえに、洗濯女の仕事で体を酷使しすぎて、息子の活躍をみることなく静かに息を引き取ります。この映画は主役はさることながら彼の周りを支える人物たちが実に存在感があって見ごたえがあります。 「人間」が好きな人、「人間」を見たい人、「人間」を知りたい人、是非この映画をお勧めします。音楽を通した最高の人間ドラマだと思います。 そしてレイのお母さんに一番観て欲しかった映画、あなたの息子さんは大勢の人から尊敬される偉大な人間として人生を終えました。心より尊敬します。