1.ジム・ジャームッシュといえばロードムービー。でもこの映画はオムニバス、ロードムービーではない。ホントに?・・・腑とそう思って観てしまった。確かにいつもどおりの小粋でどうということもないエピソードが11も綴られている。しかし、ロードムービーにおける、場所・時間・人物の「移動」が、主人公たちを主体とせず、観客を主体としたならば、この映画でも確かに、場所・時間・人物の「移動」が、我々にとって行われている。本質的な違いは、物語の進行に連続性が無いだけだ。我々は常に、新たな場所、人々との出会いに遭遇するのだ。これは、不連続のロードムービーなのだ・・・などと、妙な屁理屈を捏ねてみたりして・・・。でも、そんな印象を受けたのは本当です。粋なルーツミュージックと市松模様、滑稽な会話、そして褪せることの無い構図に10点です。