1.《ネタバレ》 原題の直訳は、「彼らは使い捨てだった」、まさしく衝撃的な内容です。反戦映画ではないのですが、伝わってくるのは厭戦ムード一色という珍しい作品。太平洋戦争初期のアメリカ軍の敗退に次ぐ敗退を描く人間ドラマです。やはりジョン・ウェインはヒーロー見たいな感じに映ります。しかしながら日本の駆逐艦を沈めてもすぐに反撃にあって痛いめにあったりする所が、近年のアメリカ万歳戦争映画とは見事なまでに、一線を画してくれます。厳しい戦いの中で出会った看護婦との恋も最後は電話で話す事しか出来なかったり、もう助からない兵士を精一杯の演技で励ます戦友達がいたり、もう死ぬとわかっているのにその演技に必死の演技で答える負傷兵がいたりするそんな場面、場面に戦争の複雑さと悲しさが募っていきます。ラスト、飛行機を見上げる取り残された兵士達の目線が痛々しく悲しかった。この映画はジャップという言葉は連発されますし、日本兵に怯える現地人(?)らしき人も出てきます。ですが、それ以上の何かを俺は感じました。アメリカの戦争映画なのにまったく星条旗が出てこないのが見終わった直後は不思議でしたが、よくよく考えてみると戦場には簡単に星条旗(国旗)は翻らないはずですよね。とにかく終戦直後に作ったとは思えない作品、巨匠ジョン・フォードの複雑な戦争感が垣間見える映画です。