1.この作品の前編にあたる…なんてことはちっともないのですが、まだご覧になっていないかたは「ブレードランナー」(できれば完全版)を、この作品の前に、ごらんいただくことを強く強くオススメします。
ふたつの作品の設定というか、底に流れている悲しさが共通のように思えるから。
で、ブレードランナーのほうの終わりちかく、ハリソン・フォードとルドガー・ハウワーが格闘をはじめて、ハウワーが錆びた釘を自分の手のひらにつきさし「まだだ…もうすこし」と呻くところがあります。その痛みで、尽きかけている自分の限られた命をすこしのばしていたのですが、それと同じ事をジョヴォヴィッチのバイオレットも(注射で)しています。そう、バイオレットの寿命も、少年の寿命と同じく、もうあまり残っていないのです。ヴァイオレットが、ときどき苦しそうにしているのも、たぶんそのため。そこを見逃してしまうと、ほとんどジョヴォヴィッチのアクションの美しさを見る映画になってしまいます。(でもでも、本当に超絶してひたすらかっこいい映画でした。ここまでアクションのリアリティを弊履のごとく投げ捨てて美しさに徹した映画は、さすがにはじめてです)
なので、一応ストーリーのつじつまもあってはいるようですが、まあ、こまかいことにこだわらず、ジョヴォヴィッチの勇姿をご堪能ください。実は非常にフェミニンな魅力にもあふれているジョヴォヴィッチが、憤怒に燃えて摩利支天のごとく荒れ狂うさまをご堪能ください。かっこいいというのは、このことか!です。ジョヴォヴィッチのかわいいおへそもお見逃しなく♪
この映画、ジョヴォヴィッチの美しさに10点です。