2.《ネタバレ》 ちょっとした条件付では、あるものの10点献上。
条件と言うのはTVシリーズを全部通して見ないと伝わらない部分が大きい。
映画単体で観れば、このワールドシリーズだけを観た人は甘めにつけても5点止まりでしょう。だから、自分の10点献上は甘甘採点と思われるでしょうが、TVシリーズから通してみる価値は十二分にあります。
木更津のテーマとしては余命半年を宣告された主人公が、残された時間を、いかに「普通」に過ごすか。ということだと思います。仲間、家族、周りに居る人達と「普通」に馬鹿騒ぎしたり、喧嘩したりとか余命が少なくても、それを特別と思わず普通に普通に生きていく主人公と、その仲間の物語なのです。
TVシリーズから、内容はぶっとんでいてどこが普通なんだ、って点も多々ありますが、
ぶっさんの最期のシーンは、やはり涙無しには見られません。
片親で、その関係性にお互いどう接すべきか大人になってから、わからなくなってきている父子は父は「公助」と呼び捨てにされ、子は「公平くん」と、くん付けで、一貫して呼び合っていた一見どうなんだ?と思われる親子関係だったからこその最期の親子のやり取りのセリフがせつなくてしょうがない。
そして、ぶっさんが一時的に甦る理由と、父・公助だけが甦ったぶっさんが見えない理由とのリンクのさせ方が、凄い。
クドカンというのは小ネタのマニアックさが評価されがちだけど、こういった仕掛けをさせたら今一番綺麗に伏線を消化させられる作家だと思う。
フィールドオブドリームスのオマージュな部分もありますが、自分の中ではフィールドオブドリームスを超えました(笑)。