9.戦争映画に点数をつけるのは難しいけれど、この作品は製作された年代を考えるとものすごい作品だろう。面白いか面白くないかでいえば、面白くはない。戦意高揚するようなかっこいい戦闘シーンは皆無で、ジョン・ウェインのようなヒーローも存在しない。エンターテインメントに走らず、カメラの視線は冷徹で、ドキュメンタリータッチとも言えるような印象がある。とにかく、あの時代においてあのテーマ性と描写力を持ったスタッフがいたことや、それを上映できたことが重大な意義を持っていたと思います。日本では統帥権干犯問題で浜口首相が銃撃された年ですからねえ。 【もっこり八兵衛】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-13 16:40:06) |
8.塹壕戦の様子、病院の状況、銃後の老人たちの好戦的な態度、一時の青年たちの熱狂、などなど第一次大戦の様子を実に目配り良く描き出しています。そして自宅で蝶の標本を伏線として使い、最後のシーンを説得力あるものにしています。反戦の映画としては金字塔といえるものと思いました。・・・・・・・・ただ、ドイツでは徴兵制が敷かれていた筈で、大量動員には予備役を使うだけであり、青年たちが熱狂的に徴募に応じるというのはイギリスの話しではないかと思いましたし、ドイツの軍隊では士官の大半は貴族であり、軍隊全体に身分制の雰囲気が浸透していたはずですから、郵便屋の話しも少し変だなぁと思いました。 【王の七つの森】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-23 11:28:22) |
7.世界映画史に記録されるべく戦争映画の古典にして傑作。戦争ものとしては分かりやすい展開と演出なので、マイルストン監督の痛烈な反戦メッセージがストレートに伝わってくる。しかも、悪名高いドイツ軍という設定も当時としては良く考えたもので、老練な教師が少年達を戦場に駆り立てる様は大変リアルである。愛国心高揚に踊らされた少年兵達が、予想だにしない最前線に送られた後では時既に遅く、バタバタと戦死するのを待つだけ。有名な、平和の象徴である蝶を手に取ろうとするラストは言うまでもなく、記憶に残る鮮烈なシーンも数多い。とくに、ポール(リュー・エアーズ)がナイフで刺した敵兵と一晩を明かせざるを得ず「もし銃と軍服さえなければ君と友人になれたのに」とつぶやき、苦悩するシーンは生涯忘れられそうにない。文句なしの10点満点。 【光りやまねこ】さん 10点(2005-01-25 11:45:05) (良:1票) |
6.戦いの最前線に出ない老教師が少年達を戦場へ駆り立てるべく志願を鼓舞する。戦場を知りもしない老人達が机上で勇ましい空論を交わしている馬鹿らしさ。将来の夢や未来もある若者が無意味に殺したり殺されたりするのが戦争。「なぜ戦わなくちゃならないのだろう?なぜ戦争が起こるのだろう?」と戦場の兵士達は考える。自分のいる壕に入ってきた時から敵になった、と瀕死にさせた敵の兵士に泣きながら詫び介抱する優しい少年が言う。「銃と軍服さえなければ友達になれたのに」。 リアルな戦場場面や兵士の姿、後方の描き方など今見てもなお古さを感じさせず至る所で反戦メッセージを発している。やはり傑作だと思うので満点に。 【キリコ】さん 10点(2004-08-30 21:16:38) (良:1票) |
5.蝶に手を伸ばした主人公の、憔悴した笑顔が頭から離れない。 【aksweet】さん 10点(2003-06-12 11:41:17) |
4.トーキー初期にしてこの大作。今の時代では作れない史上最高の反戦映画。塹壕のグリフィスの演技に圧倒された。リュ・エアーズもこの映画では素晴らしかった。・・・でも正直に言って、本作は10点あげてしまう映画だけど、原作の方が良かった。原作は10点以上。 【けい】さん 10点(2003-05-22 11:18:05) |
3.1930年の世界状況を見回したとき、アメリカはモンロー主義を貫いているが、一方で世界の覇権を虎視眈々と狙っていた。その中にあって、この作品が時代の制約性を見事に払いのけ、ヘミングウェー、ピカソにも劣らない反戦へのメッセージを込めている。教室に始まる導入は、現在及び将来の人類に大きな示唆を与えている。 【近藤智章誠】さん 10点(2002-07-30 04:03:18) |
【死亀隆信】さん 10点(2002-03-19 23:13:00) |
1.戦争と軍隊の醜さ、純粋な若者たちを軍国主義へと駆り立てる大人たちの無責任さ・・・・蝶に魅せられた主人公が塹壕から身を乗り出した途端、撃ち殺されるラストシーン・・・・この映画は戦争に対する告発状です。 【鐵假面の人】さん 10点(2001-03-26 22:03:47) |