パリ、テキサスのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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パリ、テキサス

[パリテキサス]
Paris,Texas
1984年西独上映時間:146分
平均点:7.70 / 10(Review 184人) (点数分布表示)
公開開始日(1985-09-07)
ドラマロードムービー
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2019-01-13)【S&S】さん
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監督ヴィム・ヴェンダース
キャストハリー・ディーン・スタントン(男優)トラヴィス・ヘンダースン
ディーン・ストックウェル(男優)トラヴィスの弟 ウォルト
ナスターシャ・キンスキー(女優)トラヴィスの妻 ジェーン
ベルンハルト・ヴィッキ(男優)ウルマー医師
オーロール・クレマン(女優)ウォルトの妻 アン
ジョン・ルーリー(男優)スレイター
サム・シェパード(男優)
ハンター・カーソン (男優)トラヴィスの息子 ハンター
脚本サム・シェパード
音楽ライ・クーダー
撮影ロビー・ミューラー
製作総指揮アナトール・ドーマン
配給フランス映画社
あらすじ
テキサスに存在するという地、「パリ」を探して放浪の旅に出たトラヴィス。暑さと疲労で倒れた彼は、弟に引き取られてロサンゼルスに連れ帰られる。そこには4年前に置き去りにした息子のハンターがいた。しかし妻の姿は見えない…。1984年のカンヌ映画祭で、満場一致でグランプリ(現パルムドール)を受賞したという逸話を持つ傑作。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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123
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41.《ネタバレ》 もっかいみたい。
なんでこんなゆったりとした展開なのに最後まで飽きずに見れたんだろ。
色調も凝ってる。
無駄なものがなかった......と思う。
ライ・クーダーの音楽が絶妙にハマってる。
ナスターシャ・キンスキーのため息が出るほどの美貌。
ハンター君のいやらしくないキャラクター。
愛情深い弟夫婦。
また3人になったところで平和な家庭は築けないと悟ってしまったトラヴィス。
飛行機に乗れない理由がよくわからないけど、そういう気になるポイントのためにしばらくしたらまた観たい。
よこやまゆうきさん [インターネット(字幕)] 10点(2024-03-28 22:32:03)
40.《ネタバレ》 これまでの人生で、マンガや映画、ドラマ、ノンフィクション・ドキュメンタリーなど様々なものに泣かされてきたけど、本作では本当に身体が枯れてしまうんじゃないかと思うほど泣いた。涙をながすことと自慰行為をイコール視する人がいて、彼らの意見には膝を打つ部分もあるんだけど、本作で私が流した涙は人間の根本に関わる涙だったと思う。息子との再会によってようやく人生と、過去と向き合う決心がついた男が身を落とした元妻とガラス越し、電話越しに対面せざるを得ないという非情な現実、徐々に男がかつて愛した夫だったと気付き、ただただ涙を流す女の辛さ。悲劇の中の悲劇だ。本作のことは絶対に忘れられない。
カニばさみさん [DVD(字幕)] 10点(2016-03-14 03:06:48)
39.《ネタバレ》 オープニングで流れる音楽にいきなり痺れます。
作品は初見とは言えサントラは手元にあったので結構聴いていたのですが、やはり空っぽで荒涼とした大地の画に重なるとライ・クーダーの音数を極限まで削ぎ落としたリゾネーターギターは一層冴え渡り素晴らしさを再認識させられます。
しかし、本作の内向きな人間模様やテキサスの荒野にはしっくり来ますが、ヒューストンやロスのような直線を用いて水平と垂直からなる人工物で満たされた街には若干の違和感を覚えてしまいます。

このライ・クーダーの音楽を始めとしてジョン・ルーリーがちょこっと出ていたり、サム・シェパードが脚本を書いていたり、ロビー・ミューラーが撮っていたりしますし、出てくる俳優さんも数は少ないのですが皆作品に馴染んでいて気持ち良く見る事が出来ました。
特に主演のハリー・ディーン・スタントンが全編を通しての気弱で後ろ向きな雰囲気を交えながら病的にも見える喋らない前半と息子と元妻に会ってからの不安と喜びが混在する後半を悲壮感を漂わせながらも抑え気味で見せる演技には好感が持て適役だったと思います。

4人それぞれの想いで見ている8mmのシーンは当然とはいえかなり切なくなってしまいます(幸せに溢れている内容のようですが5年前ということはトラヴィス夫妻の関係はほぼ破綻していたとも言えるのですが…)。
そんな切なくなるシーンを受けているので対比としてメイドさんと父親作りをしている姿には笑ってしまいます。
『リッチな父親』が出来上がり車道を挟んでトラヴィス親子が家に帰るシーンは微笑ましくて本当に良かったのですが、トラヴィスがハンターの方に近づいて行くカットはストーリー的にも映像的にも重要だったと思うので、他のカット同様もう少し印象的なカメラアングルにして貰いたかったです。
とは言え、この連続する3つのシークエンスの流れや親子の距離感の詰め方等の演出は見ていて非常に心地良かったです。

マジックミラー越しに再開したジェーンに思わずまた嫉妬してしまうトラヴィスの姿は悲しすぎます。
過去と何ら変わっていない自分が彼女とハンターと3人で幸せに暮らしている未来が想像できないトラヴィスは2人の元を自ら去って行ってしまいます。
2人の元から逃げたとも取れますし自分自身とも対峙せずに自分の人生から逃げたとも取れます。
解決法としては自分自身を変えて物事を前向きに考えられるようにすれば良いのですが、それが出来ないトラヴィスのラストを十分理解出来てしまう私には彼の行為が私にとってのリアリティー以外の何物でもないように感じてしまいました。

ハッピーエンドではないですが納得出来てしまう本作は私自身の弱い部分を抉られるような辛辣ささえ感じますが、決して気分を害したり二度と見たくないようなものではなくその対極に有る作品となっています。
この世界が完全ではないのは人間が不完全だからだという事を情景として静かに見せてくれる映画だと思います。
しってるねこのちさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2015-09-16 02:12:09)
38.こういう映画を心打つ感動の映画だというのだろうと思う。しかし昔映画館で見たときは、とてもすばらしく思えてもトラヴィスの心境を理解することができなくて、私自身この映画を封印してしまっていた。以来二十数年、DVDを手に入れてからもなお、わだかまりがあってもう一度見ようとしなかった映画、非常に良かったという印象はあっても、フランスのパリではなくテキサスのパリだということくらいしか思い出せなくなってしまっていた映画、意を決してようやくDVDを見た。すると見ているうちにどんどん記憶が蘇ってきた。そして最大の難所のラストシーンもありのままに受け入れることができた。これも当時ハンターよりまだ小さかった我が子が一人前になって独立するだけの年月が経っていたからかもしれない。
年月が経てば映画に対する思いも変わっていくものだとつくづく感じる。今では素直に10点満点。
ESPERANZAさん [映画館(字幕)] 10点(2012-07-30 15:08:30)
37.若いころ、ロス~ガルベストンをひとりで、クルマでおよそ5日で往復、旅した。
1日、千キロ以上走った。この映画はそのときの体験、そのまんまだ。この映画のすべての風景が大好きだ。片岡義男ロンサムカーボウイだ。昔のWAVE,写真集UNCOMMON PLACESそうゆう雰囲気に満々ている。映画というよりも、非常に典型的な、しかし私から観ると非常にあこがれるアメリカの生活、風景に満ちている。また男としては、作品のなかのキンスキーのような最高の女と、手っ取り早く言うと”やりたい”。いっしょに生活をしたいという男の欲望を非常に喚起している。そして、物語はというと実は、まったく大したことはない。普通の男の身勝手なハナシ。というか、どうみても、簡単に言うと”ファッション””かっこいい”だけである。もちろん、ラストのトラヴィスの悲劇が、もし自分だったらと考えると、とっても切ないというか。むなしい。でもそれだけだ。監督は主人公とキンスキーの鏡向こうの超長い対話シーンで映画に深みを持たせる効果をねらっているようだが、全く見せかけ。実はそんなことではなく、単に、美しいキンスキーを長く、効果的に映したかっただけ。我々は映画館のイスに深く腰掛け、タダタダこの映画の気持ちイイ雰囲気にひたるだけだ。渋い音楽。きれいな景色。いい女。いい写真。渋い写真。荒野の写真。精神の流れ者。主人公の自由な生活。うらやましくみえるアメリカでの普通の生活。くらし。”男と女”にならぶ、これぞDVD永久保存版。人生一生、世界中を旅して暮らせれば、家族はいらないかも。でもそのうちかならず、旅にもアートにも飽きるのだ!アート!さて、”ベルリン”はだめで、なぜ、この作品が普遍的によいのか。ずばり!言い当てましょう。それは、旅行だからです。美しい写真、きれいな風景、たそがれの、退廃、アメリカ一般サバービアだからです。観てて、気分いいわけよ。慣れると、きっと飽きるんだろうなあ。”風景写真がなければ、魅力半減の作品”   ラスト、暗黒の精神と風景のなか、ハンドルを握る主人公は、ふたたび、オープニングの精神の荒野にかえってゆく。  ”絶望のラスト!”
男ザンパノさん [映画館(字幕)] 10点(2010-02-02 00:21:56)(良:1票)
36.映画というメディアでしかできないことをした作品。
砂漠の乾いた砂の色、赤いセーター。
ビヨーンというライクーダーのギターの音。
小学生の私に何がわかってたのか、今となってはさっぱり疑問ですが、とにかく印象的な映像でした。
空気やにおいまでフィルムに映せるんだなと実感した映画です。
Catherineさん [ビデオ(字幕)] 10点(2009-08-03 22:40:25)
35.だめ親父なんだけど、トラビスの気持ちがジーンと伝わってきた。8ミリ映画の場面と妻との背中越しの会話は、若くて二人の愛は永遠に続くと思っている連中には、到底理解できないんだろうけど、この歳になると、気持ちは痛いほど分かってしまう。息子を母親に会わせても、自分はその場に行けない気持ちは、愛、孤独、逃避、自由、敗北、それらに対するこだわりが、複雑に絡み合ったものに感じた。男は誰でも、ふと一瞬でも、こんな気持ちを持つことがある。このギターの響き。西部の乾いた、もの悲しい映像。Nキンスキーの美しさ。いつまでも浸っていたい。
パセリセージさん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-03-06 22:29:30)(良:1票)
34.トラビスの両親の離婚話はトラビスとジェーンの関係にも通じるところがあります。つまり、人は相手を理想化すると愛を忘れてその相手を束縛してしまうという事。だから、トラビスの本音の会話は常にトランシーバーや鏡越しに行われるのだと思います。あのラストもトラビスが彼らを愛するが故の決断と見て取れるのではないでしょうか。彼のラストの行動を身勝手だと思う人たちもいますが、トラビスとジェーンを再会させたのは他でもないハンター自身であることを忘れてはいけないでしょう。あの丁字路でハンターが指摘しなかったらどうなっていたのか、と。冒頭でテキサスを放浪するトラビスの姿は忘れかけていた過去の自分を捜し求める旅でもあったのだと思います。そしてラストで再びその旅に出る事になるのでしょう。つまり、物語は彼が自分を見つけ出す以前の物語であったのでしょう。ヴェンダース、ミューラー、シェパードの三者が作り出す映画の寂しい雰囲気は心に残ります。途中でトラビスたちが見るビデオの映像がお気に入りの一つです。
マイカルシネマさん [DVD(字幕)] 10点(2005-03-31 17:32:56)
33.《ネタバレ》 ロードムービー、寡黙な主人公、親子愛、荒野、音楽、その全てがツボにはまった。マジックミラーを用いた間接的且つ一方通行的な再会という手法には思わず唸らされてしまう。うっ、うまい!うまいぞよー、てな感じ。あとはとにかくキンスキーが綺麗!綺麗ぞよー、てな感じでもある。良い映画ぞよー。
はざま職人さん 10点(2005-01-12 00:57:21)
32.自分はダメな男(苦悩する男)の物語が好きみたいです。ゆったりとした大人の映画は退屈なイメージがあるけれど、この映画はとても優しく心に染み渡ってきて、単なるいい映画以上の静かなエネルギーにあふれていました。淡々としているのに表現が豊かな映画ってすごい。
るいるいさん 10点(2005-01-04 14:54:15)
31.《ネタバレ》 愛しすぎるが故に抑制が効かなくなってしまう自分が許せず姿を消してしまうトラヴィス。何年もかけてやっとのことで凍らせた感情が簡単に溶け出し、またも全てを投げ出してしまうトラヴィス。この映画はダメ男にしか分からない。
pied-piperさん 10点(2004-12-08 02:24:26)
30.昔、15分だけ観て、ああ、これはとんでもない作品だな、と、何だか怖くなって観るのをやめてしまった。数年越しで最後まで観切った時、あの時の予感は当たっていたのだと分かった。ネガティブで逆説的に言うならば、人間は生まれた時から緩慢に死に向かっている。あえて下手な希望や欺瞞などなしに言えば、人間はある意味においては、磨耗し、亡失しながら生きているんだと思う。色々な場所に、触れた所に、触れた人に、触れる度に、自分の欠片をちょっとずつ置いて来ながら生きているんだと思う。天文学的な程の数の微小な欠片をちょっとずつ失いながら。磨耗しながら。亡失しながら。大人になり生きて行くということは、ある意味においてはそういうことなのだ。そしてきっとある分水嶺を超えてしまったら、人間はもうどこにも戻れなくなるんだと思う。亡失と、磨耗と、夢の残滓と、まだ見ない対象への希望の転嫁。“ここではないどこか”=“パリ、テキサス”。求めた地に着いてなお、その地を知らず。そんな物語だと思った。身勝手で汚く、どうしようもなく不毛な物語。でもだからこそ、悔しいくらいに綺麗だ。
ひのとさん 10点(2004-08-30 22:47:22)(良:5票)
29.風景と音楽が印象的で温度がある。自然に涙が溢れてきた。
rexrexさん 10点(2004-07-06 15:05:09)
28.家族って不思議。家族だと思ったら家族だし、家族じゃないと思ったら家族じゃない。一緒に住んでるから家族なんだという人もあれば、一緒に住んでなくても家族だともいえる。愛しているから一緒に住むという論理もあれば、愛してるから一緒に住まないという論理もある。「家族らしい家族」やら「愛らしい愛」なんて幻想なんだなぁ。幻想を糧にする奇妙な生き物=人間。ヴェンダース監督はうまく掴まえていると思う。ナスターシャ・キンスキーの美しさ、父と息子の旅、学校に息子を迎えにいくトラヴィス、トラヴィスのひげ、トランシーバー。静かなトーンなのに、強烈な印象のシーンが多かった。素晴らしい映画だと思う。 
wunderlichさん 10点(2004-06-05 21:53:24)(良:3票)
27.二時間以上もあって、しかも淡々とした物語。普通はめちゃくちゃ苦手なんやけど、これは別格やった。なんでやろ。たぶん、この監督、小技がうまい。並べられた靴、帰り道の距離、トランシーバー、マジックミラー。「ミリオンダラーホテル」や「都会のアリス」もそーやったけど、グッとくる演出が映画の中に散りばめられてる。あざといとも言えるけど、俺は単純にグッときてまう。この監督と波長あうんかも(でもベルリン天使の詩は退屈やったけど)後、この監督の子供描き方がいい。子供に結構するどい事言わせたりなんかもする(と言っても他に都会のアリスくらいしか知らんけど)そこがまた好き。ストーリーは賛否両論あると思う。トラヴィスがムカついたら、最後までムカつくと思う。俺は、誰も彼もハッピーにさせない人生の一部を切り取った中途半端なとこが、この映画に関しては好きやけど。これはダメ人間トラヴィスの身勝手な物語。自己愛と男女の愛と親子の愛と兄弟の愛と本当の愛がかみ合わない話かな。でも観ててジワッときて観た後にジワッときて、思い出してジワッとくる。不思議と。多分、この監督、ダメ人間とか孤独とかよく理解してると思う。そして愛をもって描いてる。と身勝手に俺は思う。
なにわ君さん 10点(2004-05-18 18:09:18)(良:6票)
26.初めからぐいぐいと映画の中に引き込まれてしまった。面白いと聞いてはいたけどココまでとは…。これぞサスペンス。観る側を宙ぶらりん状態にさせたまま物語りは進んでいく。最後は涙、涙。ストーリーも良いし、役者も良いし、音楽も良いし、映像も良い!大好きです!
kanekoさん 10点(2004-02-12 11:00:07)
25.《ネタバレ》 家族を捨て放浪の旅に出ていたトラヴィス。弟夫婦、息子との再会、そして別れた妻とのミラー越しの会話・・・不器用にしか生きられない男と女、、好きになればなる程相手を傷つけてしまう、結局愛が崩壊し家庭を捨てる。再会しても息子は母親に預け、自分は又旅に出てゆく、、しかしその気持ちには愛が詰まっているし、そして男の哀愁が漂う。又一緒に暮らし始めても男は同じ事を繰り返し、傷つけてしまう事を悟ったのでしょうか、、。子供にとっての4年間というのはとても大きい。子役の彼が最初戸惑いを見せ、父親を受け入れようとする、そして母親との再会、、あまりに上手くて涙が出て仕方なかった。8mm映画の中には家族が一緒に暮らしてた頃の思い出がギッシリ詰まっててそこだけ時間が止まっているかのようだった。物語と一緒に出てくる風景、そして流れるライ・クーダーの音楽にどんどん引き込まれていった、そして自分の心の中に深く深くしみわたっていった、、。
fujicoさん 10点(2004-02-11 12:58:37)(良:2票)
24.人生って何だろうね。取り戻せない過去って何だろうね。若さ故の過ちって、家族っていったい何だろうね。様々な余韻を漂わせながら、答えも出せなければ正しい結末もないのが人生なんだよね、とさりげなく過ちを肯定してくれるこの映画に救われることはあったかも知れない。不幸な結婚とそこから始まる男女の手さぐりの人生。深い絶望と放浪の旅から帰った男を迎えてくれる家族。不幸な過去をお仕着せの目隠しで覆うことより、真実を見つめようと決意する男と、いずれは誰かに語ることでしか再生への手がかりを見つけられない女。過去は決してリセットの効くものではなく、人は誰でも記憶と共存して生きて行く方法を見つけなければならない。ここに描かれた物語は、決して美しくも輝かしくもなく、誰もが憧れるようなものではないが、類を見ないほど美しいラストシーンには、言葉だけでは決して語ることのできない人間への暖かい眼差しが溢れている。人間ってちっぽけだ。人生にはやり直しが効かない。取るに足らない一人一人が、それぞれのちっぽけな物語をそれでも、どうにか必死で生きている。
anemoneさん 10点(2004-01-25 02:47:21)
23.今回でこの映画を観るのは3回目。皆様の評価の高いのが意外です。かく言う私もそうなのですが・・・。この映画の魅力って何でしょうか?ストーリーに独創性があるわけでもなく強烈なオチもなし。映像を含めたテンポにも起伏が少ない。ですので、人によっては結構好き嫌いの分かれる映画かと思っていたのですが。自分にもよく分からないので、ただ単に『好きな映画』として位置付けています。観終わった後の気分が良いことは確かですので。今回観て気になったのは、ラストの方で主人公トラヴィスがジェーンに語る部分。一部内容がニュースステーションのオープニング曲にもなっている『U2』の『Where The Streets Have No Name』の歌詞と似ているのですが、この映画にインスパイアされたのでしょうか?
中岩無洋さん 10点(2004-01-13 13:44:24)
22.《ネタバレ》  こういう映画を生み出す監督、スタッフ(音楽、脚本、美術、カメラ、編集)は、映画人冥利につきるだろうと思うと同時に、手堅い力を見せつけられ、降参です.キャストが、これまた素直に降参状態になってしまう面々で、トラヴィスを演じる H. D. スタントンの冒頭からラストまでの演技は、彼以外考えられないし、ハンター役の H. カーソン君の自然な巧さ、終盤に登場するのに強烈な印象を残す N. キンスキーの鮮やかさは、大きな余韻を残す.しかし、この映画が観る者の心を揺さぶるのは、愛情の描き方だ.自分が愛情だと思っていたものが、実は相手を束縛する自己愛以外の何物でもなかったと悟ることで、トラヴィスが得た本当の愛情がラストに直球でこちらに届くから.でも哀しいな、やりきれないな、人間って.
シャリファさん 10点(2003-11-09 21:15:03)
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【点数情報】

Review人数 184人
平均点数 7.70点
000.00%
121.09%
210.54%
352.72%
463.26%
5137.07%
62010.87%
72312.50%
84021.74%
93317.93%
104122.28%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review6人
2 ストーリー評価 7.81点 Review11人
3 鑑賞後の後味 7.54点 Review11人
4 音楽評価 8.61点 Review13人
5 感泣評価 7.44点 Review9人
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【ゴールデングローブ賞 情報】

1984年 42回
外国語映画賞 候補(ノミネート)(外国映画賞として)

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