1.始まり―――世界は母の胎内だった。そして生まれ出て世界が家になった。
歩けるようになり外に出ると世界が町になり国なって、最後は世界が地球になった。
現在大多数の人類の世界は地球。それより大きな世界を体感してきた者はごく僅か。
言うなれば彼らは世界が宇宙まで拡張した「新人類」たち。
彼らから見たら地上しか知らない人類は鳥かごの中の小鳥のようなものかもしれない・・・。
――私は願う。
この先誰もが宇宙空間に飛び立ち、全人類の世界が宇宙に広がることを。
そして世界が地球だった私達の頃よりも大きく進歩した明るい未来を。
そんな可能性を与えてくれる宇宙。――この世は美しい。