7.《ネタバレ》 航空ファンの私にとって小学生の時初めて見たこの映画はバイブルに匹敵します。全て実機を飛ばし、絶好のロケ日和を選び、ドイツ側も公平に描く。これ以上の映画は見た事がありませんし、多くの航空映画のみならずフライトシミュレーションゲームもこの映画に感化されています。勿論DVDも買いました。10年ほど前英国の友人が「毎年この時期(7月終わり頃)になるとこの映画をテレビで恒例のようにやるよ」と話していたのを思い出します。英国は陽が沈むことがない帝国であったのに、第二次大戦を機会に多くの植民地を失い没落しました。あろうことかここで描かれる時はまさに新興ドイツに本国が負けそうであったのです。この映画でも「我々は敗ける」という台詞が何度も語られるのですが、当時の英国人は100年以上語る事のなかった台詞でしょう。第二次大戦の戦勝国なのに没落した国としての忸怩たる思いを戦後の英国人達は持っていたはずです。この戦いでは少数の英国空軍パイロットの活躍で窮地を脱するのですが、映画の節目節目で出てくるスピットファイアの勝利の旋回(victory roll)はこれを見ている1970年の英国人達にそれとなく「我々はやれる」という過去の栄光を復活させる勇気を与えようとしているかに見えます。(1回目は今はそれどころではない、2回目はまだ早い、そして3回目は?)ドイツを悪や卑怯者として描かず、どちらも正々堂々の勢力として描いた目的もそのあたりにあるのかも知れません。皆さんご指摘のようにあまり脚色をせずに史実を忠実に描き込む映画が少ないだけに素晴らしさが光ります。 【rakitarou】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-12-27 19:59:42) (良:1票) |
6.青い空をバックに、英独の戦闘機が凄惨な空中戦を繰り広げる様は奇しくもとても美しい。実物の飛行機の美しさはそれだけで絵になる。とことん本物にこだわった空中戦の映像美、そして空の戦場とのどかな地上の風景との対比に、何となく「シン・レッド・ライン」を思い出した。いかにも英国映画らしい、貴族趣味的な映像美と控え目なヒロイズムがとても心地よい。本作はバトル・オブ・ブリテンで、圧倒的な戦力差に立ち向かった英空軍のドラマである。苦悩するダウニングと、素人同然のパイロットたちの死闘、生死のドラマには胸が熱くなる。しかしハリウッドの戦争映画とは違い、独空軍の方も詳細に描かれており、一人うかれたゲーリングと、最初は血気盛んだった独軍パイロットたちが、敗北を悟りつつ戦場に向かう姿はどことなく痛ましい。延々と続く空中戦とリアルな人間ドラマには、単なる娯楽作を超えた戦争の悲哀がこれでもかというほど込められている。と同時に、戦場にまだ騎士道精神といったものが存在しており、どことなく牧歌的なのが楽しい。戦争も映画も古き良き時代が偲ばれる。戦争オタクもそうでない人も楽しめる傑作である。 【わいえす】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-01-29 18:48:39) |
5.一般人が見れば胸のすく爽快な空中戦にため息。イギリス人が見れば自国の苦難と栄光の歴史を思い出して感涙。ヒコーキ野郎が見ればクラシックな伝説の機体の実物が惜しげも無く飛び交う様子に狂喜。歴史マニアが見れば「イギリスの戦い」の経緯がそつなく描かれている様に脱帽。軍事オタクが見ればドイツ軍が偏見無く人間的に描かれていることに大満足。今、このレベルの映像を撮るとしたらCGに頼らなくてはならない事(しかもそれだってどこまで行っても実物には敵わない)を考えると、さらに重みが増す。娯楽映画としてだけでなく、歴史的な史料価値までついてしまっている稀有な作品である。これで邦題がもっと格調高ければ、認知度も高まっていただろうに… 【ウーフー】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-09-20 13:16:38) (良:1票) |
4.ハリケーン、スピットファイヤ、ユンカースJu52輸送機、ストゥーカ急降下爆撃機、Bf109、ハインケルHe111などの実機が画面一杯に飛び回ってくれるのが嬉しい。また史実を割合忠実に再現しているところも実に気持ちが良い。実際ドイツ空軍の主力戦闘機Bf109は最高速度や武装は英国空軍のスピットファイアを上回っていたが、航続距離が600km余りであり、英国本土にとどまれるのは30分以下であったという。思うように英国空軍を撃滅できず、英国本土上陸作戦が行えないことに業を煮やした空軍最高司令官ゲーリング元帥が前線に督戦に来た時、ひとしきり檄をとばした後で「私は唯厳しいだけの司令官ではない。何か希望はあるか?何でも望みを聞いてやろう」と前線部隊指揮官たちに問い掛けると、一人の戦闘機隊司令(アドルフ・ガーランドがモデルたと言われている)が「スピットファイヤを1個中隊ください」といいゲーリングが鼻白むシーンなども創作ではなく史実である。英国空軍内での路線の迎撃方法をめぐる対立なども実際に深刻であったという。チェコやポーランドの義勇兵のエピソードも楽しい。また本作では英独両軍が死力を尽くして戦っている姿を、双方に公平に描いていることが実に気持ちが良い。航空機と人員の余りの損害の多さと対ソ連戦開始のために英国上陸作戦が「無期延期」になり、無数の上陸用舟艇が係留されている海岸沿いの道路で進攻部隊の兵士が救命胴衣を次々と道端に積み上げるラスト近くのシーンなども、この戦いが戦争の転換点であったのだと言うことを強く感じさせていた。きちんと偏見抜きの史実を描く姿勢がエンターテインメントとして成立する良いお手本のように思える。戦争映画というジャンルに関して、反戦思想映画でなれれば「好戦的映画」というレッテルを貼る向きもあるが、映画は見る側に選択権があるのだから「嫌だ」と思えば観なければよいだけのことであり、面白いと感じることができればその人にとってはそれが「良い映画」だというだけだといつも思う。本作ではベテランの英国空軍指揮官を演じているロバート・ショウが、歴戦のドイツ軍機甲部隊指揮官ケスラー大佐を演じている「バルジ大作戦」もお気に入りの映画。 【ぶくぶく】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-04-01 17:51:06) (良:2票) |
3.自分が見た中では最高の飛行機映画。 飛行機好きはこれを見ずには死ねない。 まぁ特撮がちゃちいところもあったが、あの時代ではあれが精一杯だ。 ストーリーも無いが、史実を正確に描いたのでしかたない。 【モンティ】さん 10点(2003-12-25 16:32:26) |
【モンティ】さん 10点(2003-05-31 14:33:29) |
【日狂組】さん 10点(2003-04-25 06:16:24) |