16.《ネタバレ》 素晴らしい映画。
この子供時代に味わうような深い感覚を何度も味わいたい。
そして大切にしたい。
非常に神秘的な美しさと温かな温もりがあり、また死を連想させる暗い雰囲気がある。
それらが非常に生き生きとして描かれる。
アナという少女の視点を通して見た世界は非常に繊細で不思議な世界だった。
映画フランケンシュタインを連想させる場面がいくつかあって興味深い。
学校に子供たちが入ってゆく場面は、まるでミツバチが巣に帰るかのようで面白い。
ここから子供たちはミツバチに置き換えられてるのだと思った。
ドンホセの人体人形は人体実験をされているかのようで、フランケンシュタインの怪物のようでもある。
夜の森を村人が捜索する場面は映画フランケンシュタインにも登場する。
夜の森でアナがキノコを触ったときに炎が燃え上がる場面は性的なものを強く連想させる。
そのときのキノコは非常にグロテスクだった。
少女の火渡り遊びはあまりに危なっかしく、これは大人になる儀式のようで怖い雰囲気が漂う。
その光景を見つめるアナの孤独そうな瞳が印象深い。
映画中に流れる音楽が非常に温もりのある音で、幼い遠い過去を思い出すかのよう。
少女アナというアバターにより、不思議な世界を疑似体験するかのよう。
アナの大きな瞳には何が映るのであろう。
アナという少女の美しさは伝説化し、あまりに霊的な美しさは生きる妖精のよう。
他の映画の深さがまるで色褪せてしまいそうなほどの深さを持ったこの映画は
言葉には出来ない本物の価値がある。