1.《ネタバレ》 コーエン兄弟の先祖みたいな映画だな、と思った。フランク・キャプラ=ちょっといい話の監督という小さいイメージが見事に崩された。とにかく色んな偶然が重なり、しかも(ほぼ)無理なく練りに練って組まれている。登場人物の行動理由も感情の流れに素直で見事の一言。ものすごい構成力。正直ケイリー・グラントのギャーギャーうるさいところや、目をひん剥く「わたしコメディしてますよー」というクドい表情にはうんざりで、減点したい。監督の演出に応えただけなのかもしれないが、本当にコメディ俳優として人気があったのか甚だ疑問だ。しかしそんなイヤなところも消し飛んでしまうほどの感動を覚えてしまった。映画終了5分前に主人公が出生の秘密を知らされる映画があっていいんだ、と。とにかくブチ切れて突き抜けてる大傑作。