2.《ネタバレ》 久しぶりの山田洋次氏の監督・脚色作品、寅さんユニットの面々がこれほど生き生きと仕事をしている貴重な作品です。「死」や「労働」が重要なテーマとなる喜劇の完成作品というと言い過ぎでしょうか。
でも、隠されたテーマがあるからこそこの作品に深みがあるのではないかと思います。
その隠されたテーマは「妹への恋情」ではないでしょうか。
豆腐屋の娘を演じた長山藍子は、ご承知の通りテレビシリーズで妹役を演じていました。
山田監督はその女優を第5作にしてマドンナにしたわけですから、とてもわかりやすい。
しかも井川比佐志(テレビでは「博役」)を婚約者にしていることからもそのストーリーが出来上がっています^^
監督はこれが最後という気持ちで制作したという話も聞きますが、
これからの作品での寅さんの女性関係における危うい立ち位置を見事に描いている秀作だと思います。
倍賞千恵子(さくら)の絶妙の演技が光る作品でした。
おいちゃんの「だめだこりゃ」も完成形でした!
それにしてもSLの存在感がすごかったですね^^