110.《ネタバレ》 “The Great Escape”『偉大なる脱出劇』。Greatには『大量の』なんて意味も含んでますが、もう『大脱走』で充分ですよね。 私が観たのは'87年の放送でしょうか?カラッと陽気な古き良き戦争映画として、また脱走モノとしてのハラハラドキドキ&ワクワクを存分に楽しみました。そしてスティーブ・マックイーンの格好いいこと。バイク・スタントのシーンはもちろんの事、独居房で独りキャッチボールする姿がとても格好良かったです。 物語は大きく分けて、収容所生活とトンネル掘り。脱走とその後の2部構成です。単純だけどこの構成が素晴らしい。 オープニングで誰もが知る大脱走マーチと共に、捕虜収容所に向かうドイツ軍のトラックを映します。ここから脱走計画実行まで、ず~~~~~っと収容所の中の話になります。例えばヒルツとアイブスがどんな風に捕まったのかとか、ウェルナー(白イタチ)が、どこでカメラを手に入れたかとか、想像すると笑えそうだけど、収容所の外の話は一切描写しません。 2時間ほど、ずっと収容所とトンネル掘りからの決行当日。息を殺しての脱走劇。この後半1時間に、一気にヨーロッパの風景がなだれ込みます。どこまでも続く牧草地帯、雄大なアルプス山脈、古風な市街地、戦時中とは思えないお洒落なカフェ…収容所で貯めに貯めたストレスが、まるでヨーロッパ観光でもするかのように、開放感となって一気に炸裂します。 実話をモトにしているものの、架空・創作の部分がまた良い味付けになっています。アイブスとヒルツ。トンネル王のダニーとウィリー。偽造屋コリンと調達屋ヘンドリーの友情が、映画らしく印象的に描かれています。またヒルツのバイクチェイスといい、飛行機強奪といい、史実に忠実にするのではなく、後半に向けて娯楽映画としての醍醐味を加える、良い味付けに思えます。 脱走の常習犯を一箇所に集めたにしては、随分と簡単に手に入る物資。あんな大規模なトンネルを3つも掘れたり、密造酒が飲めたり、ドイツの収容所の緩さが、ほのぼのとした当時の戦争映画らしく思えます。そして当時のドイツがゲシュタポのような“悪の象徴のナチス”と、ルーガー所長ら“普通に国を守る軍人さん(国防軍)”が混在していたことが、きちんと描かれています。 脱走した76名のうち50名が殺害。ヒルツもヘンドリーも運良く国境警備の国防軍に捕まったようだけど、ゲシュタポに捕まった捕虜は全員殺害されたようです。史実や原作は解りませんが、緩い警備体制で脱獄成功というヘマは国防軍におっ被せて、ビッグXら脱走常習犯の捕虜を公的に殺害する。というのが、ゲシュタポの目的だったのかもしれませんね。 最後は独居房に響く独りキャッチボールの音と、何か言いたげなドイツ兵(4回とも同じ兵隊さん)。カラッと陽気な古き良き戦争映画だけど、単なる娯楽に終わらない深みも味わえました。 【K&K】さん [地上波(吹替)] 10点(2023-06-12 17:48:13) |
109.《ネタバレ》 約40年前(小学生時代?)にテレビで吹き替え版を鑑賞。それ以来私自身のベストと位置付けている男性映画の金字塔。ビデオ、DVDは100回ぐらいも観たでしょうか。リバイバルの上映も5回は観ましたかね。ポール・ブリックヒルの原作も鑑賞後に買って追体験。それほど愛すべき名作だと思っています。見どころは沢山あって書ききれないけど特にお好みはヘンドリーとコリンの間柄ですかね。凄腕の調達屋と偽造屋が相部屋でなんともちぐはぐなんですが、目の病気と知るやビッグXを説き伏せ一緒に脱走。その結末も心に刺さります。 最近、例の「午前10時の映画祭」で改めて観ましたが、アイブスが射殺され、ヒルツが「今夜出る」と言った後にインターミッションが入りました。これは以前は無かったような・・・?長い映画なんで公開当時も入ってたのでしょうか。あとひとつ気づいた事、焼酎エピソードのマックィーンの横笛、持ち方がおかしいぞ(笑) 若い人たちはこの映画を観ても、やはり作りの古さとか舞台風の演出が目立ってあまりピンとこないようですね。どの時代に観たかによって受け止め方も違うようで。私なんかは完璧な構成と実話が持つ説得力、そして実際は過酷を極めたであろう収容所生活をあえて明るくエンターテイメントに描き切ったジョン・スタージェスの手腕にただただ脱帽なのであります。当時の英軍捕虜たちもこの映画のアドバイザーとして参加、改編された内容にも満足したとか。こういう映画はもう作れないだろうなあ。 映画が元気だった時代に敬意を込めて10点です。 【大治郎】さん [映画館(字幕)] 10点(2020-02-11 18:45:50) (良:1票) |
108.《ネタバレ》 初めて見たのが中学生の頃、近くのリバイバル専門映画館でした。それ以来何度見たことか。これほど楽しませてくれる映画はなかなか無いですな。しかもオールスターキャストで。個々のキャラが魅力たっぷりに描かれて、それぞれに感情移入してしまうから見ている自分まで作戦に参加しているようでした。波のように繰り返す緊張感高まるシーンで全く飽きる事無く、あっという間の3時間でした。そして最後まで格好良かったのはやっぱしスティーブマックイーンでしたね。 【仁】さん [DVD(字幕)] 10点(2017-12-01 00:08:09) (良:2票) |
107.何回捕まっても、アメリカ的な明るさで脱走(任務)をあきらめないヒルツの姿勢には脱帽。人生いかに困難な場にあっても、楽天的に、プラス思考で臨みたいものだ。捕虜に多数の犠牲者が出てほろ苦い結末だったが、オールスターキャスト中、私の好きなJ・コバーン、C・ブロンソン、J・レイトンの三人はいずれも脱走に成功し、この点はよかった。「第十七捕虜収容所」でもそうなのだが、精神的に参ったり病んだりした捕虜にも視点を当て、丁寧に描写している。J・レイトンは歌手として主題曲を歌っているが、ちょっとパンチ不足かな。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2012-12-16 16:36:35) |
106.《ネタバレ》 3時間を全く飽きさせない脚本の見事さといい、主演クラスの名優たちが織りなす各キャラクターの造形といい、映画としての風格に惚れ惚れする傑作。演技達者が揃って、各人の個性がくっきり際立ちながら、互いを潰しあったり突出していないのが凄い。“主役”のマックィーンはやはりこの作品が一番。タフで飄々としてて、ちょっととぼけたおかしみもある。グローブとボールとマックィーンでアメリカ人の出来上がり、なるほど上手い。軽快な音楽と、まずまず友好的なドイツ空軍、そして機知に富んだ脱走計画のおかげで、戦争映画につきものの残酷描写に身構えることなく観ていられる。のだけど、終盤やはり戦争だと思い知らされるわけで。カメラが引いていって遠くに広がる丘。響く機銃掃射音。こんなに衝撃だった場面はほかにちょっと思い出せない。何度も観たけど、これからも何度も観るだろうな。そしてバイクで疾走するマックィーンに手に汗握って、ゴードンが“thank you"とうっかり言ってしまう場面でだめだってー!と思っちゃうだろうな。 【tottoko】さん [地上波(字幕)] 10点(2012-02-19 15:45:08) (良:3票) |
105.《ネタバレ》 「午前十時の映画祭」で念願のスクリーン鑑賞。一日一回の上映でしかも日曜日とあって場内はほぼ満員、観客の平均年齢は高めですがいまだこの集客力、流石。小学生の時テレビで初めて観て以来、まさかこんな機会がやって来るとは、ありがとう「午前十時の映画祭」。リバイバルは何度もされていますが中々タイミングが合いませんでしたから。内容については今更言うまでもなく、ただ昔と見方が違った点が1つ、マックィーンのジャンプシーン、何故か涙が溢れてしまいました。 【ハチロク】さん [映画館(字幕)] 10点(2012-01-16 17:46:12) |
104.久しぶりにDVDを観た。 世に脱獄モノの映画はいくつもあるが、半世紀近く経ってもなお、本作以上の作品にお目にかかったことがない。 250人の壮大な脱獄計画にワクワクし、何度も訪れる危機にハラハラし、オールスターによる人間ドラマに胸を打たれる。 殊にスティーヴ・マックイーンはどのシーンもステキすぎて直視したら目がつぶれそうなくらいカッコいい! 【poppo】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-08-20 13:44:37) |
103.むかし、映画館で見ました。200円で。名画座のあった頃、懐かしいですね。ドキドキするやら、悲しくて涙が出るやら、何度繰り返してみても、素晴らしいです。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 10点(2010-05-02 22:58:40) |
102.《ネタバレ》 なんと言ってもこの映画が素晴らしいのは多数の登場人物の個性を上手く表現できてる所です。独房王ヒルツ、ビックXバートレット、トンネル王ダニー、製造屋セジウィック、調達屋ヘンドリーなど、どのキャラクターにも感情移入ができ、各々でスピンオフの作品を作れてもおかしくないくらい良く描けていると思います。悲劇のストーリーをこれらのキャラクターと軽快な音楽で皆が楽しめる作品に作りあげれた事が僕にとって娯楽の境地を見た様な気がします。 【関白宣言】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-12-24 17:58:12) |
101.子供の時分に何度も見た。今見ても楽しい。今も子供の頃のワクワクした気持ちで観られる。 【わさび】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-08-16 03:20:50) |
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100.《ネタバレ》 小学生の頃、とある友人と「好きな映画」について話していた時に、彼が挙げていたのがこの映画。ストーリーをアツく語ってくれていたのだが、なにせ小学生の話なのでさっぱり要領を得ず、彼の話で唯一理解できたのは、バイクで逃げた奴が柵にひっかかったことぐらい(笑)。ちなみに私はその時、『カサンドラ・クロス』について語ったような気がするが、彼も殆ど理解できなかっただろうね、いひひ。でまあ、後日、ゴールデン洋画劇場か何かで初めて観たわけですが。うーむ、ヤツに一本とられたぜ、というのがその時に感想。それまでは「先が読めない」「意外な展開」みたいな映画こそが面白いと思っていたのに、ハテ、この『大脱走』の面白さたるや。ひたすらこの“脱走”というただ一点に映画は焦点を絞り、着々とその準備作業が描かれ続ける。そのドキドキ感、ワクワク感もさることながら、その過程で捕虜たちの個性がしっかり描かれ、いざ脱走!となるや、どこまでも物語が広がっていく爽快感につながっていきます。当時としては、友人にオモシロさを教わったってのもシャクなもんで、そのことについてはその後あまり触れないようにしてましたが、結局は順調にワタシのお気に入りの一本になったわけです。何度も観たくなるのは、やっぱりこの映画の明るさ、楽しさのせいでしょうかね。収容所の描写も、何だか、ドイツ軍側が先生で、捕虜が田舎の不良学生みたいな、おおらかな雰囲気。ただ「逃げる」という、ゲーム性。収容所、トンネルの描写ばかりの前半から、後半は、汽車、ボート、飛行機、自転車、バイク、何でもありの大逃走劇。最後は悲劇が待っているとは言え、やっぱり飄々としたマックィーンの姿にニヤリとさせられてしまうと、何ともいえぬ充実感が感じられます。ところでそういえば、あの友人、その後どうしているだろうか。やや現実から“逃避する”傾向があったけどナ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-01-11 18:40:17) (良:2票)(笑:3票) |
99.この映画の明るさは一体・・。冷静に考えると本当に暗い話だと思うんだけど見終えた後爽快な気分になった。これからがんばるぞという気分になった。不思議。長いけどだれることなく見ることができた。色々ツボな部分が本当に多かったので10点! 【Shiori】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-01-10 17:37:06) |
98.今までに何度見ただろう。そしてこれからも何度も見るだろう。もうセリフまで覚えているほど見ている。それなのに何度見てもやっぱり楽しい。オープニングでエルマー・バーンスタインのテーマ曲が始まる瞬間からわくわくする。これぞ不朽の名作! 【とらや】さん [地上波(吹替)] 10点(2008-11-22 21:30:51) (良:1票) |
97.《ネタバレ》 E・バーンスタインのテーマ曲から始まる、これはまさに「大人の鬼ごっこ」映画。「絶対脱出不可能な~」という刑務所か!?とも言いたくなるのもわかるが、そんな事をも吹っ飛ばしてくれる痛快・爽快・楽しさに溢れている。もちろん俳優達の豪華さもさることながら、映画としての魅力の一つである印象的なショット=例えば飛行機から抜け出たプレザンスが見つめる国境近くの風景若しくはコバーンが入っていくスペインの山のショット、ビッグXチームが銃殺される処など監督スタージェスがうまくやっている事も忘れてはならない。まあTVで映画館でソフトで何回観たことか。それでも全く飽きないのはこの映画が多分大人になってしまった映画ファンにとっての「童心回帰」、「わくわく感」を高揚させられるからでしょう。吹き替え版も素晴らしい。マックィーン=宮部昭夫、ガーナー=家弓家正、ブロンソン=大塚周夫、コバーン=小林清志。ああうっとり。願わくばスクリーンで吹き替え版、観てぇ~!(私が好きなのは「運が良かった」だけで脱走に成功したコバーン=セジウィック。マックィーンのオートバイ・ガーナー+プレザンスの飛行機に比べ自転車とは!) 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-08-23 00:17:40) (良:1票) |
96.ハリウッドのよきスペクタクル映画ですね。素晴らしいです。 【TVC15】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-02-25 09:36:31) |
95.映画ファンになった作品です。「ストーリー」「キャスト」「演出」「ビジュアル」「音楽」どれを取っても素晴らしい。スティーブ・マックィーン、ジェームス・コバーン、ジェームス・ガーナー、チャールズ・ブロンソン、名前を聞いただけでもワクワクしてきます。欲を言えばもう少し早く生まれてリアルタイムで映画館で観たかったです。 【SODOMOJO】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-13 18:40:11) |
94.この作品については客観的になど語れません。群像劇、男の仕事をしっかり描いた映画で、敵役のドイツ人についても、単にドイツという祖国のために職務として兵士となっている点をしっかり描いている公平な視点にも好感がもてます。しかし、なんと言ってもこの映画はスティーブマックィーンの映画でしょう。登場から最後まで魂が持っていかれました。彼が表現したのは、何事も 孤独に、誰にも頼らず、自由を求めてあらゆる手段を駆使して縛るものから逃げようとするスピリッツです。自身が孤児のように育ち、多分、多くの規律や制約のなかで、虐げられて育てられてきた俳優以前の人間としての、自由への渇望、自分の足で立ち、自分の意思で行動したいために、安全でそこそこ生きることを保証されている環境から、命を賭けて敢えて逃げ出そうとするスピリッツが、どんな小説や他の映画よりも的確に、自身の姿、どんな強敵に対峙しても、不敵そのものの表情をうかべ胸を張ってにやりとし、『いくらでもまたやってやるぜ』という相貌を媒介にして、伝えられていた、そんな気がして私にとっては満点の映画です。 【マンフロント】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-11-15 13:20:19) (良:1票) |
93.《ネタバレ》 まさに映画らしい映画。わかりやすい、引き込まれる。最近はテレビ放映があまり無いですが、ひところ(30年くらい前かな)毎年、、、洋画劇場や、、、ロードショーでやってました。その際に観てたのでだいたいはストーリーはわかってましたが、レンタルで初めてフルバージョンを観たとき、「カットしすぎ~」と思ったのを覚えています。50人も殺されている悲劇にもかかわらず、最後まで逃げ切った3人の方がより希望を持たせてくれるのはなぜでしょうか?脚本の妙味とマックィーンのキャラであろうと思います。ひさびさに吹き替え版も観てみたい。私の映画人生で永遠の名作です。 |
92.《ネタバレ》 史実かどうかは問題じゃない。本当はこんなに美しい物語ばかりではなかったかもしれない。もっと陰惨で辛気臭い話にだってできたはずだし、捕虜はみんなこんなに勇敢じゃなかっただろうし、そっちのほうがもっとリアリティに溢れているのかもしれない。でも、この映画は間違いなく名作だし、そのように評価されるべきだと思う。 この映画の素晴らしい点は友情、思いやり、そして軍人として(あるいは人間として)どうあるべきかを観客に示してくれるというところにある。明日に賭けようという前向きな、そして不屈の精神。ラストシーンは何回観ても感動する。しかもこの映画がすごいのは、その価値観の提示を少しも押し付けがましく感じさせないという点である。群像劇というスタイルをとっているから、誰を自分のヒーローとするかも選択は自由というわけだ。ヒルツのアメリカ人らしい自由なアプローチ、バートレットの組織化された軍人としてのアプローチ、ダニーの一兵卒としてのアプローチ。この映画は、多くの人が目にしてこそ、意味のある映画だと思う。そして、公開から40年以上を経た現在も多くの人がこの映画に魅了されているという現実を、僕はうれしく思う。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-07-16 16:31:21) (良:3票) |
91.《ネタバレ》 綿密な脱走計画を立てる前半、緊迫した脱走シーンの中盤、そして哀れな結果に終わる逃避行の後半。どのシーンにおいても気を抜くことなく、食い入るように見ることができました。またドラマな部分においても、「不屈の精神」だけでなく、盲人のコリンを助けながら逃げ続けるヘンドリーの姿や、閉所恐怖症に悩むダニーを必死で励ますウィリアムなど、細かい人情ドラマにも感動しました。 【黒めがね】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-02-05 17:04:13) |