1.《ネタバレ》 この映画を6点に止めておくのは惜しい。本当は9点だが、少しでも注目してもらいたいと思い、満点にした。
ヴィスコンティを観賞しているような気分になる映画だが、主人公を中心とした三人の友情(本当は友情とは呼べない)が、繊維工場建設の野望を企てていくお話し。
内容は、舞台は19世紀末、製作は70年代前半にも拘らず、皮肉にも現代の格差社会と全くと言っていいほど重なっている。
買収、ヘッドハンティング、インサイダー取引。正義も悪もない。登場する女性全てが人間として扱われていないのが特に悲惨だが、皮肉にも男たちは、その女性たちの影響で堕ちていくことになる。
今回、BS放送での観賞だが、DVD化されてないのが残念でたまらない。
全編に映される19世紀の舞台は既存のものを使ったので低予算だったらしい。
しかし、本作がアカデミー賞のノミネートを受けた時、ロサンゼルスに呼ばれた監督は、いったいどれだけの資金を使ったんだ?と頻繁に聞かれたと言う。
ヴィスコンティが観たか知らないが、もし観ていたら間違いなく絶賛していたと思う。
チャンスがあったら是非観てもらいたい作品だ。