2.《ネタバレ》 良い映画。
ではあらすじ。
自殺願望が強い若い男性が、奔放な老女と出会って恋をした。
主人公の自殺ごっこは、誰かに観てもらって初めて成立するもので、本当に自殺したいわけじゃない。
つまり他者に自殺ごっこを見せ、その反応が楽しいのである。
それができるのも、主人公がとても裕福な家庭にいるから。
老女は、とにかく盗む。他人のクルマ、木、スコップ。他者の都合は全く考えない。
その意味で、このカップルはよく似ている。
もし身近にいたら、大迷惑なババア。説教するし、ものすごく不愉快だろう。
老女が逮捕されないのは、ファンタジーだから。
この映画は、最初から最後までファンタジー映画である。
こんな素敵なカップルは現実にはいない。
ルール違反を突然やられたら、迷惑だし不愉快だろう。白バイ警官の態度が現実である。
とても不愉快なカップルだが、二人が主人公で、行動の理由を知っているので笑って観ていられる。
(現実じゃなく)映画なのだから、それでいいのだ。
老女は、死に怯える酷い目にあった。
だから、人間社会と人間に絶望している。
「社会規範なんて糞食らえ」なのである。何も恐いものなし。
ところでDVDには予告が二本あり、どちらも映画本編にないシーンが多い。
不思議な予告だな、不思議な映画だな。監督と脚本家と音楽に興味が湧いている。
とりあえず、『チャンス』を観直したい。
さて、最初にいい映画と書いたのは、他に似た映画がないから。
そーゆー映画には10点をつけることにしている。だから10点!