7.《ネタバレ》 しみる映画ですね。直接的なメッセージはほとんど全く描かれていないのに、観ながらいろんな感情がわいてくる絶妙な演出です。旅の途中で出会う人とのエピソードが抑え目なのがうれしいです。トントが画面の中にさりげなくしか登場しないのも、かえって作品の深みになってると思います。高齢化社会の問題を描いているという声もありますが、単純に長い人生経験を経た一人の男の人間くさい物語と思っても充分じゃないでしょうか。ベンチで話してた友人の遺体を確認に行って、ハリーがちょっとだけ泣くシーンが好きです。何度も観てますが、エンドロールのキャストの最後に「トント」って書いてあるのに気づいたときはすごくうれしくて泣けたなあ。 【かねたたき】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-02-08 03:06:24) (良:1票) |
6.安定を求める中で失った居場所、旅に出る老人と猫。 その旅の中で出会う人間たちやたくさんの社会的問題。 性問題や薬物問題や家族というものの存在、生と死。 全て見ていると哀しいほどなのに、重くなりすぎない。 しかし心に何かシミを残すような形で存在し続ける。 お爺さん、そして猫という存在、旅という舞台、 それら全てがパズルのピースのようにぴったりとはまる。 たくさんの人に見てほしい。 自分の中で特別な作品。一生愛し続ける。 【05】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-03-10 14:29:57) |
5.自分の人生観をも変えそうな、心に刻まれる素晴らしい作品でした。誰しも直面せざるを得ない“老い”と“死”。それだけではなく高齢化社会、核家族、世代間ギャップ等の問題をも絡めてあるので、いろいろと考えさせられる作品です。今から30年近く経ち、主人公ハリー(アート・カーニー)みたいな骨太で素敵な老人になってみたいと思ったりもするのですが、その一方で自分にはとてもこんなふうには……。ハリーって、憧れの老人像ですね。ストーリーは淡々と進み、アート・カーニーの演技も淡々としたものですが、ネコのトントの死はペットを飼ったことのある者にとって身に詰まされるシーンでしょう。なんとなく救われそうな余韻を残したエンディング。答えはやはり、事実を受け入れ「あるがまま」ということなんでしょう。 【光りやまねこ】さん 10点(2003-08-09 17:41:34) (良:1票) |
4.老人と猫のロードムービーなんですが、もうめちゃくちゃ好きです。虐げられたお年寄り、呆けてしまった過去の恋人。別にかわいく映そうとしていないトントがかわいすぎです。サントラにはいっている「ニャー」の鳴き声も最高です。アート・カーニー、エレン・バーンスタインもいい味出しています。 【omut】さん 10点(2003-06-17 02:52:38) |
3.この映画を観て自分の老後を想像した。純粋にあんな奔放な生き方がしたいと感じさせてくれる映画だった。今まで観たロードムービーで最高にいい作品だった。 【ケン太】さん 10点(2001-07-22 15:34:16) |
2.ドラッグ問題、性問題、高齢化社会、深刻な家庭崩壊、貧困またそれに付随する食糧問題、老人の孤独死、それにティーンたちの家出問題を巧みにまた鋭いタッチでロードムービー調に見事なまでに描いている。どこまでいっても独立心強く、忍耐強くも新たな自分の発見の旅を続けるハリーに彼に飼われている猫のトント。この2人の旅を時には暖かな眼差しで、時には皮肉な感じで皆さんおっしゃられるように決して悲劇的な結末ではなく、未来を感じさせるようなラストで見事にまとめ上げたマザースキー監督の正に傑作である。こういう映画は永遠に風化させてはならないのだ。 【チャーリー】さん 10点(2001-06-14 18:17:06) (良:1票) |
1.これは暗く思えるかもしれないが、ハリーの前向きな生き方に共感を覚えた。猫が象徴する自由と死というその両面が非常に良い。シェイクスピアのリア王をぽつりと漏らすシーンも深い感銘を受ける。最後は悲しい感動ではなく、なぜかさわやかな感動を味わった。 【M】さん 10点(2001-04-18 19:32:37) |