1.《ネタバレ》 『イリーナ・パーム』還暦を迎えた女性の風俗店での芸名だとは誰も思わない。そう呼ばれる女性はマギー。世間知らずの60歳を超えた女性がなぜ風俗店での芸名などあるのか。それは難病の孫の為お金を工面する為に始めたのがきっかけだった。短期間で6000ポンド用意しなければならない。到底そんな額など用意できない両親は絶望的な状況になす術もない。しかしマギーがたまたま目にした「高額支給」のバイトの張り紙。それがソーホーにある風俗店だとはその時彼女は気づいていなかった。マギーのやわらかい手に店長のミキは週600ポンド払うと提案する。しかしこの歳になって風俗店で働くなんて絶対誰にもバレたくない!しかし孫を救いたい。その思いだけで彼女は翌日再び風俗店を訪れる。最初はキモチ悪くて何度も石鹸で手を洗ったマギー。しかしどうだろう。最終的には看板娘『イリーナ・パーム』の芸名がつけられた。彼女目当てに男達が長蛇の列を作りライバル店から誘いがくる。彼女は今まで周りからトロいと思われ心から信用できる友達もなく、息子の嫁にもうっとうしがられていた。けど彼女は働き自らお金を稼ぐことや同僚と飲みに行ったり、自分を求めて客が来ることでどんどん自信をつけていく。肘を使い過ぎ痛めてしまってもそれを勲章のようにさえ思い生き生きし始める。一方孫がどんどん弱る姿を目にし、彼女は給料の前借をして何も告げずに息子の元へ届ける。こんな大金どうやって稼いだのか。腑に落ちない息子はある日母親の後をつける。彼が目にしたのは風俗店で働く母の姿。いくら孫の為とはいえ風俗店で働くことを許せず彼は母親を怒鳴りつけた。しかし嫁だけは理解してくれた。孫をどうしても助けたかったのだと。世間から良く思われない風俗店でしかも60歳を超えてから働くマギーの姿に嫁は心打たれ、勇気ある決断に心を開いてくれたのだ。彼女は還暦を過ぎてようやく自分に自信が持て誰かに必要とされる幸せを見つけたのだ。今では世間の目など気にしない。自分という存在に誇りをもてるようにまでなったのだ。彼女は自らの「やわらかい手」で自信を持つことができそしてこれからの素晴らしいであろう人生を掴み取ったのだ。いつまでも受身でいてはいけない。自分の人生は自分で切り開くのだ。