2.《ネタバレ》 スターウォーズと共に、1970年代前半までの厭世的でダークな「うんざり感」を打破し、往年のハリウッド映画のワクワクさせる理屈抜きの面白さを復活させた娯楽大作の2作目。私は1作目と同じく映画館で観ました。
オープニングタイトルと共に1作目の名場面が挿入されています。まだホームビデオが普及していなかった当時、私にとっては1作目の感動を想起させた上で本編へとつなげていく心憎い演出だと思いました。また、1作目は【時間的な流れ】という意味で、子供時代→少年時代→スーパーマンとしての活躍…について、やや飛び飛びに展開し“ダイジェスト”のような面がありました。一方、当作品は、①ロイスとスーパーマン(クラーク・ケント)、②レックス・ルーサー、③三悪人、の場面を、時系列に沿って交互に描きながら、最後のクライマックスに向けて一つに集約させていく構成も、わかりやすいと思いました。
当作品は、製作サイドの意向により、リチャード・ドナー監督から、途中でリチャード・レスター監督へと変更になったことは有名です。最近、ドナー監督の意向を反映して再編集した【ドナー・カット版】を観る機会がありました。予想通りだったのは、レスター監督ならではのギャグシーン(メトロポリスでの戦いの場面が典型的だと思います)が削除されていたことです。ただし、私はすでにレスター版のリズムに慣れ親しんでしまったために違和感がありました。そして、スーパーマンの正体を知ったロイス・レーンの記憶を無かったことにするために、地球の自転を反転させて時間を巻き戻すシーンが再現されていましたが…いまだにこの“解決策”は、1作目の欠点として挙げられていますので、レスター版による差し替えのほうが無難かな…と思います。
さて、採点ですが…、私にとっては、1作目と2作目はセットの作品です。本来の娯楽映画の面白さを復活させ、一時期は【スターウォーズ派とスーパーマン派】に二分されるほどの人気を博した歴史的な意義を踏まえ、さらに、今は亡きクリストファー・リーブへの敬意を込め、1作目同様、10点を献上させていただきます。