1.なんとも壮絶で悲壮なメッセージ、未来への希望も期待も予感させない終末。絶望とか悲観といった言葉がピッタリなんだろう。同年「真夜中のカーボーイ」に対抗し、9部門にノミネートされながらも助演男優賞{ギグ・ヤング}のみの受賞に留まった。それはおそらくあまりに悲観的な視点で描かれていたからだろう。「真夜中のカーボーイ」も決して明るい映画だとは言わない。しかし本作の方が明らかに絶望感が漂う。そんなメッセージ性が強くも、暗い物語性とは裏腹にそれらをあざ笑うかのように展開される耐久マラソン・ダンス。なんとも皮肉な構図である。やり場のない精神状態、行き場のない絶望感、これらがオープニング・シーンで象徴したのだろう。