欲望の翼のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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欲望の翼

[ヨクボウノツバサ]
Days Of Being Wild
(阿飛正傳)
1990年上映時間:97分
平均点:6.90 / 10(Review 29人) (点数分布表示)
公開開始日(1992-03-28)
ドラマラブストーリー
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タイトル情報更新(2024-03-31)【Olias】さん
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監督ウォン・カーウァイ
演出トン・ワイアクション監督
キャストレスリー・チャン(男優)ヨディ
カリーナ・ラウ(女優)ミミ(ルル)
マギー・チャン(女優)スー・リーチェン
アンディ・ラウ(男優)タイド
ジャッキー・チュン(男優)サブ
トニー・レオン(男優)スマーク(ノンクレジット)
レベッカ・パン(女優)
脚本ウォン・カーウァイ
主題歌アニタ・ムイ
撮影クリストファー・ドイル
製作アラン・タン
配給プレノン・アッシュ
美術ウィリアム・チャン
編集パトリック・タム〔監督〕
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6.《ネタバレ》 人影無いサッカー場の売店で、来るはずのない客を怠惰に待つ女スー。そこは言わば世界の喧騒から隔絶されたシェルターだ。時を刻む秒針の音にただ埋もれるばかりの彼女は、まるで人類が死に絶えた核戦争のただ一人の生き残りのように、平和で退屈でそして孤独である。そんな彼女に、ある日思いがけず近づいてくる靴音。力強いその音は、永遠に思えた彼女のまどろみを打ち破り、女にその顔を上げさせる。孤独な人間にとって他者との出会いとは、規則正しい心音に護られた胎児が光射す世界に産み落とされる、その一瞬でもあるのかもしれない。ウォン・カーウァイが描くこの冒頭は、その後も彼が数々の映画で憑かれたように変奏していくこととなる、人と人との邂逅、まさにその雛形であると言える。腕時計の秒針が1周する1分間を身じろぎもせず見守るスーと、運命の男ヨディ。魂と魂がことりと音を立て奇跡のように共鳴しあうその60秒は、けれど過ぎた瞬間もはや取り戻せぬ過去となり、止まることなく先へと進む秒針が、1秒ごとに刻々とその過去をさらに彼方に遠ざけていく。とまどい怪訝なまま顔を寄せあった一瞬。ただ静かに目の前を通り過ぎていった一瞬。それでもゆっくりと遠のいていくにつれ、かけがえのない幸福の意味を強めていく、その一瞬。ヨディとの忘れえぬこの1分間に囚われるスーが、夜道をならんで歩く心やさしい警官タイドとの時間もまた取り戻せぬ幸福な一瞬であることに、気づくことはない。決してつなぎ止めることのできぬ一瞬を、それでも人はつなぎ止めたいと切に願う。そして永遠を夢みる。おそらくそれは、等しくヨディを追い求め、彼の弟分サブの恋心に応えられず涙するミミもまた同じだろう。幸福な一瞬は彼方に過ぎ去り、手の届かぬ懐かしいその光に、人はただやるせなく胸を痛めるばかりだ。この世界に永遠などないのだと、ウォン・カーウァイは断言する。どれほどに希求しようと、人がこの手に出来るのは、過ぎたそばから過去となっていくかけがえのない一瞬一瞬、その積み重ねに過ぎないのだと。そしてそれでも、と映画は語る。1960年4月16日、3時1分前、自分がどこにいたか、そしてだれと何をしていたか。決して忘れず胸に刻んだその一瞬こそが、私たちにとって、かけがえのない永遠となりうるのだと。
BOWWOWさん [DVD(字幕)] 10点(2010-05-30 14:57:30)
5.私の1番好きな映画と言ってもいい「欲望の翼」がデジタルリマスターで蘇り、遂に念願の劇場で鑑賞するという事が叶い感無量であった。
今は亡きレスリー・チャンをスクリーンで観る機会なんてこれが最後かもわからないし、ほんとに観れて良かった。

映像的にはそんなに綺麗になっているとは感じなかったが、特筆すべきは"音"であった。
とにかく音の臨場感が凄い。

ザッザッザッザッ‥コツコツコツコツ(レスリー・チャンが廊下を歩く音)
ガチャカチャカチャコンッ(コーラの瓶をカウンターに置く音)
チクタクチクタクチクタク(時計の音)

ザーザーザーバシャバシャバシャ(雨の中車を走らせる音)
キーコキーコキーコ(壊れそうなワイパーの音)

という具合だ(文字で書くと訳がわからないけど)
そして、ザビア・クガートのゆったりした音楽に癒される。

前作「いますぐ抱きしめたい」で大袈裟すぎる演技とアクションで暴れまくったアンディ・ラウとジャッキー・チュンが別人みたいな落ち着いた演技なのも良いね。

あとはひたすらレスリー・チャンのカリスマ性溢れる魅力に悶えるのみ。
ヴレアさん [映画館(字幕)] 10点(2005-11-01 09:20:56)
4.当時、豪華俳優が出ていると言うだけで映画館まで観に行ったのですが、今でも、王家衛の最高傑作だと思っています。もちろん俳優の魅力も最高ですが、あの重く緑がかった映像と、亜熱帯湿度、ザビアクガード、最高です。全体的に流れる様なドラマ感が大好きです。でもかなり好き嫌いがハッキリしてしまいそうで、とりあえず、友人にはほとんど薦めていません。
rexrexさん 10点(2004-06-12 12:04:52)
3.《ネタバレ》 飛び続ける鳥というと私は宮沢賢治の「よだかの星」を思い出す。何かを求めて移ろう姿には孤独と一抹の不安、悲壮感が漂う。「よだか」はきれいな星になりたかった。飛び続ける脚のない鳥の求めていたものはなんだろう。「愛?」「死?」満たされない心が欲しがっていたものはなんだろう。得体のしれない焦燥感で行動を駆立てられ、寂しさを愛で満たすしかない青春もあるだろう。この映画は言葉では表現しきれない、その常に満たされることのない心の疼き、それゆえに何が欠けているのか理由もわからず苦しまなければならない「感情」というものを映像で表現している作品だと思う。ヨディは自由奔放だが魅力的だ。複雑な環境を生きた人間の眼が、独特の哀しい翳りの震えと優しさを持つ事を知る。望まれこの世に生を受けた記憶のない不確かさからか、音信不通の実母へ拘り、自分を愛する養母を苦しめる。そんなヨディに恋した女2人と、その2人の女に恋した男2人。心ここにあらず、離れゆくものを追う気持ちがあり、だからこそ惹かれゆく男女の一方通行の想いが、交わされない視線、微妙な距離感の会話の中、香港の街に交錯する。「MY SHAWL」が胸を締め付ける。ヨディは母に会うことを拒まれ、運命は彼を破滅の道へと誘い出す。フィリピンの列車の座席にもたれ逝ったヨディの朝日を浴びて輝く瞳は空を見つめていたのか。ヨディはまだ飛んでいなかったのかもしれない。たった今空に向かって飛び立ったようにみえた。この映画が王家衛の精神世界だとすると、彼はヨディに生まれ変わって飛び立って欲しかったという願い・結末を用意したのかもしれない。王家衛の映画にはいつも満たされない想いが波打っているけど、濃密な人との触合いの時間や旅などの移動から、微かな希望を最後に灯す。それは魂を包みこむような優しさと光の余韻を画面にうむのだ。誰もが孤独だし、恋をして辛い思いをして傷ついてもいる、だからおもいっきり涙を流してもいいんだよってこの映画はそっと囁いている。死ぬ前にヨディはスーとの1分間を「永遠に覚えている(直訳)」と言った。人には大切に心に刻みたい瞬間がある。時間は永久に過ぎ去ってゆくものだから。1960年香港に王家衛は特別な思い入れがあったのかもしれない。香港の青春スターたちの生の瞬間そのままを滲ませた映像は本物の人間ドラマをみせ、映画として美しく永遠に記憶されたかのようだ。
ひいらぎさん [映画館(字幕)] 10点(2004-06-01 00:19:40)(良:1票)
2.何度も観るほど好きな映画で、誰よりもこの映画の良さが判っていると思っていました。しかし実際にコメントを書こうとすると語るべき言葉を持ち合わせていないことに気づいて気持ちが沈んでしまいました。音楽が素晴らしいのは間違いないですが、音楽だけの映画と割り切れるものではありません。皮肉なことに、粗を探すといっぱい出てきます。レスリー・チャンが演じる主人公は身勝手で行動が突飛なため感情移入ができないし、足のない鳥の話だって生活力のないダメ男の妄想みたいで安っぽく見えるし。ウォン・カーウァイの出世作で「どうだ、俺のセンスはすごいだろ」という独り善がりの作風に思えます。でもセンスが本当にすごいので満点。
USS_Barcelonaさん 10点(2003-12-07 04:19:10)
1.レスリーのカリスマ性が圧倒的だった。自由で奔放で、自分を脚のない鳥にたとえて飛びつづける姿は鮮烈で最も際立っている。また、見えない鳥の滑空していく目から眺められたかのような美しいジャングルのイメージが非常に印象的でせつなさを覚えた。
李将龍さん 10点(2003-06-20 14:00:16)
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【点数情報】

Review人数 29人
平均点数 6.90点
000.00%
100.00%
226.90%
300.00%
426.90%
5310.34%
6413.79%
7724.14%
8517.24%
900.00%
10620.69%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 4.33点 Review3人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 8.50点 Review2人
4 音楽評価 8.66点 Review3人
5 感泣評価 Review0人
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