1.《ネタバレ》 こんなに良い意味で裏切られるとは思わなかった作品。ほろ苦い初恋を音楽で適当に色づけしているレベルかなと思ってました。ごめんなさい。の子の歌がラジオから流れてきて、見に行くか!となったくらいだけど、その感覚を持てた私を思いっきり褒めてやりたいです。見逃さなくて良かった。
なんとなく若者向けと思われてしまうかもしれませんが、とても大人向けの映画です。これは、年の差恋愛なんかじゃなくて、傷ついた二人が、悩みながら、お互いの夢に向かって、歩みだす作品なんですよね。
真っ直ぐなあきらに刺激され、諦めかけていた小説と向き合い始める店長、
反対に、自分が負った傷を抱きながら静かに諭す店長の言葉に、大事な陸上に戻っていく決意をするあきら。
これだけだって十分な作品なのに、店長とあきら、それぞれの友人との絆が描かれているのだから、もう涙腺崩壊です。
若者だからこそぶつかってしまう感情、大人だからこそ歩み寄れない溝。それぞれ違うもどかしさ。わだかまりが解けたときの温かい空気。
素直に泣けます。足掻き続けること、大切な人との絆を、少ない台詞と細やかな演出で、しっかりと描いてくれてます。
ラストも最高でした。あきらの涙が切なくて、美しくて、、爽やかで、素晴らしかった。
永井聡さんは、漫画の実写化が上手い監督さんなのかもしれません。帝一の國もよかったです。