19.《ネタバレ》 魔法をかけられたみたいに回をかさねて観れば観るほどに大好きになっていく不思議な映画だ。主人公イングマルはまだ子どもなのに、決してさびしいとは言わない。悲しいとも言わない。人工衛星に乗せられて死んだライカ犬や新聞で読んだ不幸な事故に遭った人たちと比べて自分は幸せだ、とただ思うだけだ。それは悲しみをやり過ごす手段というよりも、それこそが、彼にとってできるただ一つの悲しみの表現だからだ。だから、ライカ犬を思う時、それはつまり彼が年相応に泣くことすらできない時なのだ。それがなんともたまらない。両手を広げてむかえてくれるやさしいおじさんおばさん、友だち、そんなあたたかい村の人たちに囲まれて、笑ってはいても彼はいつもどこか所在なさげだ。彼にとっては、どんなに恵まれていようがそこは本当の居場所ではないのだ。彼が行きたい場所は、浜辺でのでんぐり返りに笑ってくれた母親とのまぶしい光景の中にしかない。そんな彼がはじめて泣きわめき、庭の東屋に立てこもるエピソードは、彼が等身大の自分に還るために必要な通過儀礼でもあったのだろう。人工衛星のような闇夜の東屋で、彼は何を思ったのか。やがて朝が来てライカ犬とは違い無事帰還をはたしたイングマルが見つけたのは、あらかじめ用意されていたその場所こそが自分の本当の新しい居場所であるということ。彼はもうライカ犬と自分を比べたりはしないだろう。悲しい時は悲しいと、さびしい時はさびしいと、言うだろう。自分の手でようやくそんな居場所を勝ちとったイングマルが遊び疲れてソファでうたた寝するラストシーンは、戦士のつかの間の休息のようで、ほほえましくも、とてもたくましい。 【BOWWOW】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-07-23 21:56:37) (良:5票) |
18.《ネタバレ》 オール・タイム・BEST!。 中学生の頃、NHKで放送されたのを観たのが最初です。この作品との出会いが私自身を映画好きにさせた作品といっても過言ではなく、原作本まで探しだし、公開当時のパンフレットも入手(ちょっと高かった・・・)念願の初DVDも購入。 これまでに何度観返したことだろうか。落ち込んだときや、ちょっとポジティブになりたいと思うとき、ふと観たくなる。そして観終わった後、不思議と心が安らぐ。“ライカ犬に比べればまだマシだ”とくじけそうな時、常々思い起こすイングマル少年の健気さ。病弱な母親を想うがあまり、愛犬シッカンとも分かれて、しばらく過ごすことになった田舎町での様々な出来事。全てが心温まる。イングマルとサガが寄り合って寝ているラストシーンは一生胸に残りました。ああ感動! 【シネマブルク】さん [地上波(字幕)] 10点(2007-07-28 08:17:50) (良:1票) |
17.良い作品だった。やっぱり映画って素晴らしいなと改めて実感。 【ゆきむら】さん 10点(2004-11-18 21:54:41) |
16.本当に素晴しい映画でした。この映画に出会えてよかった。 【戦慄の右クロス】さん 10点(2003-10-22 11:20:03) |
15.最高だと思う。これだけ爽やかな感動を覚えたのは初めてだった。ハルストレム監督も原点回帰したらどうでしょう? 【ディーゼル】さん 10点(2003-10-21 21:49:03) |
14.大学受験を控えて、しばらく映画は断とうかと思い、最後にチケット買ったのがコレ。ちなみに一緒にもう一枚買ったのが『チャイルド・プレイ』。バカだね~。閑話休題、私はこの映画、大変好きなんですが、一番の理由は、観終わって、「イングマルとサガの二人、今頃どうしてるのかな~」なんてセンチな気分になっちゃうからです。懐かしさ溢れる映画です。もしハリウッド製だったらきっと続編とか作っちゃうんだろう。ゾッとするね。 【鱗歌】さん 10点(2003-07-20 21:47:05) |
13.不幸だなとか幸福だなとかどうでもいいような感じです。とにかくよい話でした。 |
【バンカツ】さん 10点(2003-05-12 12:30:27) |
11.映画を観るということの幸福、これぞ感動、これぞ映画。イングマルの寂しさ、孤独感は万人に共有されるものであろうし、それを慰める自然と隣人たち! 。イングマルを見詰める優しい眼差し。究極の傑作だと思う。キャスト、映像全てが満点だが何より音楽が素晴らしい。あのメロディを聞くだけで熱いものが込み上げてくる。その後のハルストレムは如何してしまったのだろうか? 「サイダー」「ショコラ」、期待するたびに絶望する。左翼的な、解放万歳の映画作りに、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」にあった優しさはない。もう観られないのか・・・ そう思うと死にたいほどに悔しくなる。心から願う。ハルストレム監督、リメイクでもいい。もう一度「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」の世界を見せて欲しい。あの美しさを見せて欲しい。あなたの場所は、北欧の自然の中にあるのではないだろうか。 |
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10.少年の幸せって一体何だろう。ママと一緒に笑い合う事?シッカンと一緒に素敵な夢を見る事?幸せが来なくても少年はいつもこう思うだろう。「彼よりも僕はまだ幸せな方だ」と。 【Velit】さん 10点(2003-02-04 01:57:26) |
9.この監督って、人のちょっぴりはみだした子供の心を本当に優しくみせてくれると思う。感受性の洪水みたいな映画。あとからあとから説明出来ない気持ちが溢れてきて、後味、決して良くないんだけど、何度でも観たいと思う。 【きのこ】さん 10点(2002-11-16 01:41:30) |
8.<ネタバレややあり>辛いことがあるとライカ犬の事を考える主人公。人間って苦境に陥ると、上を見るのではなく、下を見て生きていくもんだよね。ラストのボクシング放送が、イングマル少年の輝かしい未来を暗示しているようでホットしました。それにしても村の住人たちは、魅力に富んでるな~。 【ヨシオ】さん 10点(2002-11-15 00:14:41) |
7.映画が好きでよかった、なんて思える素晴らしい映画。ひたすらしみじみ。ラッセはアメリカに行かないほうがよかったなぁ… 【愚物】さん 10点(2002-11-06 03:08:38) |
6.大好きな映画です。イングマルは何かあるたびに、宇宙に行ったライカ犬や高圧線で死んだターザン男などより自分の方が幸せだ、と考えて自分自身を慰める。ということは、自分の置かれた状況がとてもとても悲しいんだよね。でも回りの人間の温かさで救われました。人間って、こうやって悲しみから立ち直っていくものなんだね。主演の男の子、不思議な顔してるけど、すご~くかわいい~~~~!!! 【パキサン】さん 10点(2002-09-15 02:35:10) |
5.暖かく丁寧な作品。言葉で語らないところがいい。 【みき】さん 10点(2002-03-13 11:47:30) |
4.温かくておもしろい映画でした。イングマルがとんでもないガキなんですけどすごい笑えて楽しかったです。ああいうなんかイカれた感じの田舎ってなんかいいです。。。 【バカ王子】さん 10点(2002-02-16 10:52:33) |
3.とてもいい映画です。見ないと絶対損するよね。少年と母親。あ~。もうたまらん。泣く 【鉄コン筋クリ】さん 10点(2001-10-30 01:51:56) |
2.なんかスウェーデンに行きたくなった、この映画を見てから。話はというとこれまた素晴らしい。子供は子供なりに現実逃避の方法を分かってる。不幸の中にも幸せってあるんだなぁ。っていうか幸せって自分で作って感じるものなんだな。とても心温まる映画。ハルストレムは何でこんないい映画作れるんだろう。 【シュープ】さん 10点(2001-07-14 06:32:45) |
1.少年の切ない気持ちが痛いほど伝わってくる。不幸だったライカ犬と自分を比較して立ち直ろうとする姿がけなげ。 【KARIN】さん 10点(2001-04-19 16:48:29) |