南部の人のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 ナ行
 > 南部の人の口コミ・評価
 > (レビュー・クチコミ)

南部の人

[ナンブノヒト]
THE SOUTHENER
1945年上映時間:92分
平均点:8.75 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
ドラマアドベンチャーモノクロ映画
新規登録(2003-11-13)【--------】さん
タイトル情報更新(2009-04-13)【S&S】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督ジャン・ルノワール
キャストザカリー・スコット(男優)
J・キャロル・ネイシュ(男優)
ベティ・フィールド(女優)
エステル・テイラー(女優)
原作ジョン・セションズ・ペリー
脚本ヒューゴ・バトラー
音楽ウェルナー・ジャンセン
撮影ルシアン・アンドリオ
製作デヴィッド・L・ロウ〔製作・1897年生〕
ロベール・アキム
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想(10点検索)】[全部]

別のページへ(10点検索)
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
1
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
2.《ネタバレ》 唐突な話だが、ルノワールの『南部の人』は、死ぬ間際に観たい映画だと思った。
果たして死ぬまでに何本の映画を観るだろうか。勿論、本数の問題ではない。
ならば観るべき映画は観たのだろうか、観ずに死んで後悔する映画はもうないかと。
しかし、そんなことがどうでもよくなる映画、それが、ルノワールの『南部の人』だ。
もうこれを観たのだから、悔いはないだろう。
こんなにも幸福感に包まれた映画などこの世にはないのではないだろうか。
夫婦揃ってベッドで眠るショットにオヴァーラップする綿花畑の美しさや
滅茶苦茶すぎる街の酒場での乱闘シークエンスや
なによりも登場人物の表情ひとつひとつの美しさ
そして生命の力に満ち溢れているではないか。
あばら家に引っ越してきた時に初めて灯るストーブの火。
ここから物語が、この家族の新しい生活が始まる。この美しさに心を揺さぶられるではないか。
その時点ではこのシークエンスのみでの美しさなのだが
ここにただならぬ何かを感じずにはいられない。勿論そこではそれが何かなどわからない。
映画は進み、嵐が畑を無に返す。男はもう無理だ、街へ出ようと決意する。
しかし家に戻ると妻は、「家は大丈夫、そしてストーブも直った」と言う。
そして再び灯るストーブの火。泣ける。泣けて泣けて仕方ないだろう。
冒頭のストーブの火に感じる魅力は生命の力だ。
ルノワールが描きたいこととはそういうことだ。
死の間際、幸福に包まれた生命の力を感じる映画を観る。
こんなにも安らかな最期などないはずだ。
そんなことを思わせる傑作である。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 10点(2012-09-09 00:32:23)(良:2票)
1.《ネタバレ》 息子が敗血症になり、毎日どうしても新鮮な牛乳が要る。けれど、貧しい農夫一家にはとてもそんな余裕がない。苦しむ子どもを前に悲嘆にくれていると、おばあちゃんが再婚(!)相手と現れて乳牛をプレゼントしてくれた。めでたし、めでたし。

また、度重なる不幸と苛酷な農作業で、すっかり偏狭な性格になった近所の意地悪オヤジ。その嫌がらせに怒りを爆発させた主人公は、オヤジを叩きのめす。復讐のため銃を持ち出すオヤジだったが、長年の夢だった川の大ナマズを主人公が釣り上げたのを見るや、コロリと態度を変え、「このナマズを俺の獲物にさせてくれりゃ、もう嫌がらせはしねぇ。井戸も使わせてやる」と言い出す始末。これまた、めでたし、めでたし。

…もう、万事がこの調子なんである。苛酷な、あまりにも苛酷な農夫一家の生活ぶりを、おそらくオール・ロケで描きながら、この映画には大らかな楽天性が息づいている。ほとんどデタラメすれすれのご都合主義が、リアルな写実主義風展開のなかに突然顔を出して、あれよあれよと主人公一家を救うのだ。
結局、豪雨で農作物が全滅し、一度は土地を手放そうと考える主人公。けれど、コンロに火を入れてコーヒーを沸かす妻の姿に、ふたたびやり直すことを決意する。…このラストにも、ぼくらは「うん、彼らは大丈夫だ。きっとうまくいく」と確信する。何故なら、彼らは“祝福”されているのだから。誰に? もちろん、この映画に。というか、この映画を撮ったジャン・ルノワールに! 

映画のなかで、町の工場で働く主人公の友人が、「苦労ばかりの農業なんかやめて、工場へ来いよ」と誘う。が、「俺は青空の下で働きたいんだ。自由な気がするから」と答える。…どんなにつらい人生でも、何より「自由」こそが大切なのであり、生活の細部(ディテール)には幸せが、生きる歓びが宿っている。…こんな風に“貧しさ”をかくも“豊か”なイメージで描き得るのは、たぶんこのルノワ-ル監督をおいてないだろう。
ぼくは見ながら、何度も泣いた。この映画のなかに描かれる、文字通り「人の生きる姿」としての人生の、あまりの美しさに。

たぶん、間違いなく、これが本当に「幸福な映画」というものだ。
やましんの巻さん [映画館(字幕)] 10点(2004-07-27 14:08:01)(良:1票)
別のページへ(10点検索)
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
1
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 8.75点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7112.50%
8225.00%
9337.50%
10225.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review2人
2 ストーリー評価 9.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 9.50点 Review2人
4 音楽評価 8.50点 Review2人
5 感泣評価 9.50点 Review2人
chart

【アカデミー賞 情報】

1945年 18回
監督賞ジャン・ルノワール候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)ウェルナー・ジャンセン候補(ノミネート) 
録音賞 候補(ノミネート) 

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS