天使の涙のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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天使の涙

[テンシノナミダ]
Fallen Angels
(堕落天使)
1995年上映時間:100分
平均点:7.38 / 10(Review 58人) (点数分布表示)
公開開始日(1996-06-29)
ラブストーリー
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タイトル情報更新(2023-07-05)【Olias】さん
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監督ウォン・カーウァイ
演出プーン・キンクァン(アクション監督)
キャストレオン・ライ(男優)殺し屋
金城武(男優)モウ
ミッシェル・リー(女優)エージェント
カレン・モク(女優)金髪女
チャーリー・ヤン〔女優〕(女優)失恋娘
コン・タオホー(男優)
脚本ウォン・カーウァイ
音楽フランキー・チェン
撮影クリストファー・ドイル
製作ウォン・カーウァイ
ジェフ・ラウ
配給プレノン・アッシュ
美術ウィリアム・チャン
編集ウィリアム・チャン
ウォン・ミンラム
字幕翻訳岡田壮平
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6.《ネタバレ》  もう何10回と観ている作品だが、ビデオで観た回数の方が多いので鑑賞環境はビデオにしておく。ちなみにリマスターで現在発売されているDVD版はエンドロールがオリジナルとは少し異なる(プレノンアッシュ時代はエンドクレジットの背景が青色だった。←こっちのが好き)
 
 さて、「恋する惑星」に次いで公開されたウォン・カーウァイの傑作だが、これはカーウァイ唯一のラブコメディと言えるだろう。大部分は金城武が出てる部分になるが、全体的にコメディ色が強い作品であると言える。
 登場人物も、他のカーウァイ作品に比べて特殊なキャラが多い。その筆頭がレオン・ライ扮する殺し屋だ。いかにも物語の中のキャラクターという感じのそのキャラ造形は漫画チックでもあり面白い。基本的に物ぐさな奴だが、やたらナルシストで殺しの場面になると終始スローモーションでキメまくるので笑えてくる。弾切れ無しの2丁拳銃乱射には、お前はチョウ・ユンファかと思わずツッコミを入れたくなるだろう。
 そして、コメディパートを引き受けているモウこと金城武が最高だ。勝手に店を開けて営業したり、無理矢理洗髪して金を取ったりとやってることは犯罪だが、その純粋さゆえなんとも憎めない良いキャラである。そもそも、期限切れのパイン食べて口が聞こえなくなるなんてあるのか謎だが、口が聞けないという設定を存分に生かしきっており、その動きの演技で全て表現していてとても良い。
 これまでのカーウァイ映画の人物に1番近いのがミシェル・リーだろう。「恋する惑星」のフェイ・ウォンみたいに彼女もまた報われることのない、一方的な想いを抱えている。カレン・モクもしかり。
得てしてカーウァイ映画の人物は皆、出会ったのちすれ違い、すれ違ったまま終わることのほうが多い。しかし、本作では出会うはずの無かった2人が最後、奇跡の出会いを果たす。それは、バイクが目的地に着くまでの僅かな時間かもしれない。しかし、その時たしかに2人の距離は0メートルだったし、永遠とも言える時間を切り取ったまま映画は終わりを告げるのだ。なんて清々しい、素晴らしいラストだろう。
ヴレアさん [ビデオ(字幕)] 10点(2013-11-09 20:30:41)(良:1票)
5.《ネタバレ》 ウォン・カーウァイの映画では、登場人物たちは縦横無尽に街を疾走し、すれ違い、出会い、別れ、また出会い、あるいはまたすれ違う。せわしない彼らの疾走が止むことはない。それは60年代の香港であっても現代の香港であってもブエノスアイレスであってもニューヨークであっても、変わらない。街の動きとはそういうものだと言わんばかりに。撮影監督クリストファー・ドイルが描出する過剰にスタイリッシュな、色と光の洪水のごとき映像。行き当たりばったりなストーリー。ときにポップ、ときに絢爛な美術。スター俳優ばかりを起用した贅沢なキャスティング。カーウァイ映画は、とかくこれらの要素ばかりに着目して毀誉褒貶が下されがちだが、それはとても無意味に思える。なぜならそれらはウォン・カーウァイ独特の目くらましにすぎないからだ。手を変え品を変え装飾されたその表層の下には、常に同じシンプルな主題が恥ずかしそうに息を殺して隠れている。広角レンズを多用し、ひときわ強調される目くらましとはうらはらに、『天使の涙』は彼がもっともすなおにその素顔を見せた作品でもある。ウォン・カーウァイの映画は憑かれたように一瞬を描きつづける。腕時計の秒針の一周を共に見守る一瞬、明け方のグラウンドでポケベルが鳴る一瞬、固い握手をかわす一瞬、そして二人乗りのオートバイの背中に体温を感じる一瞬。心と心が通いあい、魂がことりと音をたてるようなその一瞬。ときに人は永遠を夢みてしまう。『欲望の翼』でマギー・チャンがせつなく演じたスーのように、一瞬の輝きに囚われ、それをつなぎとめたいと必死に願う。そして打ち砕かれる。『天使の涙』では、過去に出会ったはずの男女の片方がまるごとその記憶を失くしているというおよそ現実ばなれしたシークエンスが二度くりかえされる。失恋女は失恋の痛手から救ってくれた武(モウ)をきれいさっぱり忘れ、金髪女は今度こそ忘れられない一瞬を刻むため自分を忘れた殺し屋の腕に力の限りかみつく。人と人に永遠などない。すれ違い、出会い、別れ、またすれ違っていく。それでも人は疾走を止めない。いとおしいその一瞬を少しでも引き延ばすかのようにスローモーションへと変わっていくラストシーンは、奇跡のように美しい。ウォン・カーウァイは描く。その一瞬こそが、永遠なのだ、と。
BOWWOWさん [映画館(字幕)] 10点(2009-07-22 22:57:13)(良:2票)
4.恋愛の、特に初期段階に感じることがある永遠とも思える一瞬。世界が二人だけになり、自分たち以外は時も人も何倍もの速度で通り過ぎて行くあの感覚が鮮やかに描かれた映画。「全てのものには賞味期限がある。」だからこそ、その一瞬が美しく切ないのだ。 (追記)先日再見したら+1点でやっぱ満点。「恋する惑星」より私はこっちの方が好きだな。「一瞬の永遠」を求めて夜の街を彷徨う孤独な都市生活者達がたまらなく愛おしい。
黒猫クロマティさん 10点(2003-10-08 23:40:02)(良:2票)
さん 10点(2003-03-05 23:31:43)
2.日本での公開時に、堕落天使ではなく天使の涙としたところはとてもいい判断だと思います。どんなものにも期限があるというのはウォン・カーワァイ監督の中での心の葛藤を描いたものだと思いました。失恋してずっと元気のなかった僕を立ち直らせてくれた映画です。19年間生きてきた中で最高の映画です。
merothさん 10点(2002-11-05 11:15:45)
1.ななおちゃんさんと同じく私もラストシーンが大好きです。台詞・映像・音楽など全てがツボにはまりました。もともと孤独を描くのがうまい監督さんだとは思ってましたが、ここに出てくる女エージェントの孤独感には本当に胸をうたれます。確かに意味不明なところもある作品ですが、あのラストシーンだけで10点献上。
こふみさん 10点(2001-09-21 22:35:24)
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【点数情報】

Review人数 58人
平均点数 7.38点
000.00%
100.00%
211.72%
300.00%
411.72%
546.90%
61017.24%
71525.86%
81220.69%
9915.52%
10610.34%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review2人
2 ストーリー評価 8.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review2人
4 音楽評価 8.00点 Review4人
5 感泣評価 8.00点 Review2人
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