1.《ネタバレ》 緒方拳が扮する家老だが、そんなに悪い奴か?西洋式の最新の軍隊を養成したりして、なかなか先見の明がある家老じゃないか。謀反人の仲間の有無を探ったのも藩のために当然の事をしているだけだし、上意討ちを一番、腕の立つ主人公に命じたのも当たり前。謀反人の妻は、セックスで男を懐柔して藩の決定を曲げさせようとするような、武家の女にあるまじき腐れ果てた根性の女だから、それを相手に遊んでも罪は軽い。そんな、家老を殺すなんて、この主人公は殺人狂ではないか。まったく不愉快で反社会的な映画だ。 ********* ところで、「大目付」って、大名を監視する役目だから、幕府にしかいない。「果たし合い」は私的な決闘であり、主人公が藩命で行ったのは「上意討ち」。身分の違う使用人の女が、主人に気安く話しかけるなどあり得ない。言い出すときりが無いが、いくらなんでも時代考証が出鱈目すぎる気がする。清兵衛でも出鱈目だったが、山田洋次という男は観客を馬鹿にし過ぎているんじゃないのか。