1.両主演俳優の整いすぎている太い眉毛が気になる。
些細な事だが、二人が演じるそれぞれのキャラクター像において、その風貌はそぐわない。
ただし、そんな些細な事を気にしていてはキリがない。眉毛から何から映し出される描写の総てがイチイチ酷い。台詞回しも酷い。何もかも酷い。
突然変異的な超能力者同士の死闘というもはや“ベタ”で漫画ちっくな設定は決して嫌いじゃあない。
両主演俳優のキャスティング自体も間違っていはいないだろう。石原さとみはかわいい。
ビジュアル的には当然劣るだろうが、昨今のアメコミヒーロー映画的なストーリー性は充分に表現できた筈である。“真面目”な映画づくりさえすれば。
兎にも角にも、脚本と演出が「糞」の一文字に尽きる。
よくもまあこれほどの費用をかけて“学芸会レベル”のストーリーを紡ぎ出せるものだ。
見紛うことなき超駄作。なんとか最後まで鑑賞できたことに対して逆に満足感すら覚える。映画ファンとしては、こういう体験も一年のうちに一度や二度は必要なのである。
藤原竜也という俳優は嫌いではないが、相変わらずの工夫のない絶叫演技に辟易する。
演出を施す監督や作品の種類にもよるが、やはり彼は映画には不向きと思わざるをえない。
途中から同じく藤原竜也主演の「インシテミル」並の絶望感の再来を感じた。確認してみたら、そうかアレもコレも同じ中田秀夫監督か……。
逆に凄えなと思わざるをえない。
役柄のテンション的には、藤原竜也と山田孝之の配役が逆のほうが意外性もあり面白かったのではないか。
もちろん監督と脚本は総入れ替えした上で。