2.《ネタバレ》 型破りなコメディを気取っているように見えて、実際は笑い所も泣かせ所もベタで古臭い。コメディ部分で笑わせておいて、後から人情ドラマで泣かせようという、あざとい作りが見え見え。そうした邦画特有の「泥臭さ」が悪い意味で目立つ。
それでいて「万人受け」を計算して、笑い所も無難なレベルに止めているのが丸分かりなので見ていて白ける。ナンセンスさを気取ったギャグもドラマもミュージカルっぽい演出も、何もかもが中途半端。おまけに全体のテンポも悪い。終始ダラダラしているのにウンザリさせられ、開始10分で早くも恒例の早送りモードに突入した。
その媚びた作りと、コメディにもなり切れていないセンスの無い笑いに、見ているのが苦痛だった。この作品の「中途半端なバランス」こそが、監督自身の中で「万人受け狙い」と「一般人には迎合しないという斜に構えた姿勢」とのバランスが取れていない証拠。