1.《ネタバレ》 はっきり言って、見所がまったくなかった。それでいて、妙に血糊の量が多い、血生臭い演出ばかりで気分が悪い。原作を5歩飛ばしにトレイルしていったような脚本だったが、「で、結局どこで観客を楽しませようとしてんの?」という感じで、見せ場が全く無かった。古芳は弱過ぎるし、宿敵となるはずの神は早々に退場(最後の整形入れ替わりは超蛇足)、君国に至っては単なるエロ親父と化してしまっている。さらに、見ていて致命的に痛かったのは、安っぽいハイテク描写。脳波を鍵にするところの説明なんて赤面ものだし、「君国を撃ったらホログラムだった」ってシーンは崩れ落ちて涙が出そうになった。大体、ダーティーボムで強迫してくる設定が何も活きていない。手口が傍若無人すぎて、あれじゃ犯罪組織というよりテロリストだよ。君国の手下達は黒装束にキャップという出で立ちで、特命リサーチのエージェントかと思った。久々の「箸にも棒にも…」映画で、これは0点かと思ったが、このサイトにおける0点には、「我々の世界とは次元が違う」「とんでもないイモ映画だが憎みきれない」というニュアンスがあり、ある意味神格化されている。それとは明らかに違うのでこの点数。佐田真由美が映画初出演の割に善戦していたのと、この脚本でもそれぞれの仕事を健気に全うした役者陣の姿勢が救いか。