1.かつてここまでつまらないゾンビ映画があっただろうか。
この監督は"ゾンビ"という題材を安易に使用してちょっと芸術的なゾンビ映画を作ってやろうという、気取った感じが見受けられ鼻に付く。つまり、ゾンビ映画に対する愛が全く感じられないのである。これはエセゾンビ映画だ。
SABU監督初期の頃みたいに笑いの要素があればまだ楽しめたのだが…。
ゾンビと言っても殆ど人間に近いので、ゾンビ女が人間にレイプされるという折角のおいしい見せ場も非常につまらない展開になってしまっているのが残念だ。もっとゾンビの造形にグロテスクさを要していたなら、滑稽さと気持ち悪さが相まって、もっと笑えて怖い衝撃的なシーンとなったのではないか。
また、ゾンビを飼って結局何をしたかったんだという、根本的な理由も不明なので全く入り込めなかった。