1.《ネタバレ》 技術的価値については何ともいえないが、見て面白くはない。
最初から最後までグロ映像が満載というならまだしも、中間に位置する全体の1/2程度は単なる街のゴミ連中の話が延々と続くだけである。全てが酒の毒で死ぬわけではなく、普通に死ぬ人間が何人もいる。あるいは最初から最後まで徹底的に不謹慎でブラックな映画で通すならそれでもよかったが、実際には鑑賞者が普通に死んでほしくないと思う人物もいて、かえって半端な印象を受ける。これでは何をやっているかわからない。この映画自体がゴミのようだ。
ところで劇中ではゴジラの話が出たり登場人物が巻き寿司を食っていたりBANZAIと叫んだりニッポンのビニ本でも買えと罵倒したりして、日本の存在感が妙に大きい。主要キャストの女事務員もJane Arakawaという人なので日系人だろう。これは”Japan as Number One”の時代だったことと関係があるのかも知れず、あるいはベトナム戦争と合わせて理解すべきものとも思われるが、そんなことを真面目に読み解こうとするのもアホらしい。当初の思いつきレベルのプロットにいろいろ付け足して100分以上にしたものの、伸ばした部分が全部無駄にしか見えていない、どこまでも半端な映画である。