1.《ネタバレ》 役者さんの演技は皆さん一生懸命できていて気持ちのよいものです。・・・・・とはいえ全体としてのまとまりは欠け、個々の展開も説得力がなく、しかも退屈だし、惨めな作品でした。面白くも何ともない。・・・・例えば、最後の鳥かごのところとか、・・・一羽死んで、残りを自由にして、かごを焼いて、直ぐに奥さん帰ってきて、新しいかごを買わせようとして、あまりにあわただしくとってつけたような展開では、象徴的な意味を味わうゆとりなどありません。・・・或いは、決闘のシーンにしてもどうして脇差しをおとりに捨てるのか、どうして屋根からの攻撃をかわすことができたのかなどに説得力を欠いています。・・・また、木村側にも、坂東側にも「武士の一分」があったわけですが、それが考えさせるものとして殆ど提示されていない。・・・・一連の山田時代劇で描かれる男女の感情、行動様式は、昭和期のそれであり、江戸期のものとはとても思えません。一時代前の感情や行動様式を、相当に古い時代に投影して描かれても、なんの想像力も刺激されないというか、そんなところです。