1.《ネタバレ》 開始から3分、「きっと婚約解消していたのだろうな」と思ったら、その通り。郵便局員の娘、残された両親の行く末、主人公の結末が、あまりにも安易です。娘、あるいは恋人に先立たれた者たちが立ち直るまでをリアルに描いてはいるのですが、台詞を含めた脚本があまりにも凡庸で、退屈、というよりは、胸が痛みます。ダスティン・ホフマンとスーザン・サランドンの演技は、すばらしかった。スーザン・サランドンは、年をとってから、さらにすごい女優になったと、あらためて思いました。 -----------メイキング映像で気になったことが2つ。1つは、本作はブラッド・シルバーリング監督の自伝的映画であることが「くりかえし」語られたこと。どうやらそれをウリにしたかったようです。が、本編冒頭、結婚式に行くと見せかけて葬式に行くシーンを入れたり(ブラックユーモアーを狙ったようですが、はずしています)、亡き婚約者の故郷でさっさと次の彼女を見つけてしまうなど、この「情のなさ」は、いったい何なのでしょうか。次に、脚本が監督自身によるものであるため、「現場で変更させやすかった」と、ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドンが、それは嬉しそうに語っていました。なるほど、2人のキャラクターが生き生きとしていたわけです。同時に、それ以外のものはなにも残らない作品となってしまいました。