1.『ビッグ・フィッシュ』では、ラストの葬列シーンがファンタジーであることの爽快な余韻を残しすがすがしかったのですが、この映画では、ラストに登場する石油会社の人間は、信じることの大切さなどの証明として提示され、実に説教臭くすっかりローな気分になってしまいました。登場する母親、その恋人、財産に群がる一家など、誰もかれもステレオタイプで萎えてしまうし、抱き合う少年と母親など唐突すぎるな~。それにもまして、カメラワークがなんとも凡庸。やたらクローズアップで撮る、切り返しが単調、カット割が多すぎる、構図もきまっていない、では映像的に見るべきところがないです。原題の複数形が示す通り、老人2人の象徴として描かれるライオンの演技にプラス点です。