1.午後のロードショーで放送していたのを録画して見たのですが、期待値の低い午後ローで見ても退屈するほどの完成度の低さ。モーガン・フリーマンにジョン・キューザック、おまけに撮影監督にはダンテ・スピノッティまで動員する豪華ぶりに「バイオレンスの隠れた佳作かも」と期待した私がバカでした(「ドライビングMissデイジー」の監督の作品なので、モーガン・フリーマンは企画の良さよりも人間関係で本作に出演した様子ですが)。反抗期の息子に良いところを見せたいおやじの奮闘、その親子を好きになってしまう悪党の親分、その親分を取り戻しにやってくる怖い子分達という要素はまんま「3時10分、決断のとき」なのですが、作品の出来は「3時10分~」とは比べようもありません。すべての要素の煮詰め方が甘いのです。事件が発生する前の時点で親子はすでに仲直りしちゃってるので家族の再生のドラマになっていないし、悪党の親分は最初から最後まで素直に言うことを聞いてくれるので親子の姿に感動して態度を変えたというドラマも発生していません。子分達は異常なまでに弱く、ヘリコプターに乗りスコープ付きのサブマシンガンで武装しているにも関わらず、ちっちゃい拳銃一丁持ってるだけのド素人に簡単に反撃されてしまうという体たらく。主人公一行が途中で合流するカップルやFBIに振り回される田舎保安官など明らかに必要のないキャラクターも何人か紛れ込んでいて、とにかく脚本が緩すぎます。おまけにアクションも緊張感がなく、誉めるべき点がほとんど見つかりません。さらに追い打ちをかけるのが作品内容とはほぼ無関係の邦題。この映画はどうなってるんでしょうか。