2.《ネタバレ》 単純にかっこ悪い。
映像も言ってることも空虚でかっこ悪い。ぺらぺらなCGは迫力ないし、繊細さもないし、ただスピーディーにして誤魔化してるだけじゃん。人が飛び上がって月とか太陽をバックにするのは本当に止めて欲しい。失笑だよ、あれ。
「CASSHERN」の時と同じことになるが、何故この映画に生身の俳優を起用する必要があるのかがわからない。
人件費しかり、美術セットや衣装や持ち道具やらにお金を掛けないでCGにお金を費やせばいい。そして撮影する時間があるなら部屋に籠ってパソコンだかMacだかに一日中面と向かってCGを描き描きしてたほうがよっぽど有意義だろう。
鈴木清順の「オペレッタ狸御殿」にはフルCGの美空ひばりが出てくるがこれは誰が見ても美空ひばりだ。しかし「GOEMON」に出てくる戸田恵梨香とか佐藤江梨子なんかはほとんど誰だかわからない。グレーディングでコントラストつけまくって、色足しまくって俳優を誰だかわからなくするくらいなら、最初から俳優なんか使わなければいいじゃないか。こんなの俳優に対しての冒涜だろ。敬意もへったくれもない。
割腹の瞬間を後ろから撮るってどういうことなんだ。しかも五右衛門がそれを見ているという設定であるなら、余計それは前から撮るべきだろ。その瞬間を脳裏に刻ませなければ、その過酷さは伝わらない。ホラー映画ではないし、レイティングの問題もあるだろうから、決してかっ捌いている腹を見せろと言っているのではない。その顔だけでも見せなければ、その過酷さは伝わらない。
更にはりょうの死に様も駄目だ。あれは首を刎ねるべきだ。障子越しなのだからそれは可能なはずだ。障子に飛び散る血飛沫なんてどーでもいい。そんなものでは過酷さは伝わらない。
ってことで、結局何にも響いてこない。
化学調味料、着色料、保存料を含有しまくったアメリカンフードみたいな映像の洪水はぎとぎとべたべたしつこく大味。こんな映画が溢れたら、映画もテレビ化していき、どんどん思考停止していくだけだ。
一瀬たん、こんなのに尽力注いでていいのか?とりあえず紀里谷先生にはもう撮らせちゃ駄目だよ。