1.《ネタバレ》 フランスでヒットした作品ということで期待してみましたが、酷い内容でした。どたばたであればもっとスピード感や奇想天外な展開がなければなりません。30年のブランクをかかえて寄せ集めたメンバー、やる気もはっきりしないメンバーが、リハもなしに演奏できるわけもなく、また、演奏会開催までの主催者側の情報管理の杜撰さもありえない展開、バイオリニストの出生の秘密も政治体制がもたらした悲劇として安易に仕立てられており、クライマックスのリアリティが全くありません。みんなの力で演奏会をつくりあげていくすばらしさをみせるのなら「ヴィットリオ広場のオーケストラ」を見習うべき。旧社会主義体制への告発をドラマとして描くのなら、「善き人のためのソナタ」のような人物造形やエピソードのリアリティを確保すべき。陳腐で政治色が強くて笑うに笑えない作品です。つまらなかった映画の投稿はあまりしないのですが、がっかり度が大きかったのであえて書きました。