2.昔ある文豪がパクリを指摘されて、「確かに盗作したが、俺の作品の方が面白いからいいじゃないか」と思いっきり開き直ったという。人間的にはあれだが、作品的には確かに面白いもん勝ちかなとは思う。で、この映画に関しては、正直パクられたかどうかなんてどうでもよくなるくらい面白くない。つまらないものはつまらない、それだけ。たとえば手品だってトリックが斬新ならそれで面白いというわけではなくて、手品師のキャラ作りやお芝居といった演出がトリックと同じくらい大切だ。逆にトリックがオーソドックスでも、演出の工夫次第で楽しい出し物になりうる。この映画はそういう題材の料理の仕方という点で拙く、退屈極まりない。盗作されたとしても同情する気になれない、その程度の作品である。