2.どの作品でも最初の十人くらいまでは「良かった」と評価するものと決まっていますがそろそろ酷評を載せてもいい頃かもしれないので登場させていただきました。この作品はコーラス・メンバーにボーナスをあげるための第九交響曲みたいな作品です。考えてもみてください、この作品の中で何組の恋人のカップルが登場しましたが?面白いと思って見た人でも正確な数は言えないのでは・・・。そして誰が主役かわからないまま登場人物をやたら多くしたせいでそれぞれの描写は深みを欠き、私には動物の雄と雌がワンワン・ニャーニャーつるんでいるようにしか見えませんでした。でもこういった作品に意味がないというわけではありません。宝石店の店員と飛行機の乗客で登場したローワン・アトキンソンなんか、特に乗客としての登場はほんの数秒だったのに光っていました。俳優が優れた演技を見せるのに登場する時間の長さは関係ありません。それぞれの俳優が会心の演技を見せようとアトキンソンみたいに神経を集中させればいい作品にしあがったのかもしれません。残念ながらその意気込みが感じられませんでした。英国首相の演技も「大役」という意気込みは感じられても勉強不足の感はまぬがれず、良かったのはうかれて踊りを踊っているシーンだけ、それも他のシーンでもっと威厳を見せていればおかしさが倍増したはずなのに残念です。