1.イカれたヘボ映画作者たちが、実際に人間を殺害してスナッフ・フィルムを撮影する、というオハナシ。本当にそれだけ。物語の展開もなければ解決も無し。まあようするに、マグロの解体ショーを映画化するようなもんですね。前半はたいしてエロくもないエロシーンを交えつつのどうでもいい前置きが続き、後半はというと、血糊と絶叫と臓物だけで何とか盛り上げようとする低予算ショックシーン、ただそれだけ。映画の物語を支えるサスペンス感覚が全く無い中、ほれ~残酷でしょ、ぐはははは、とか言われても、なあ。もっとも、このヘボ映画の中で「ヘボ映画作り」が語られているというコト自体には、メビウスの輪のような超次元的は循環パターンが感じられ、わずかにユニークさを醸し出しておりますが。この映画に感じる恐怖感って、映画の中身にあるのではなくて、「この程度でOK」という製作者の信じられないような“割り切り”に対する恐怖感、かも知れません。あるいは、人間、上を見たらキリがないけれど、下を見たら実はもっとキリが無いという事実。下には下がある。ダメ方向のベクトルの先にはひたすら底の見えない深淵が広がっているという事実。そういうことを感じさせてくれるだけでも、平凡な日常にちょっとだけ楔を打ってくれる作品、ではあるかもしれません、が・・・観ますか?敢えて。