1.《ネタバレ》 全体的に話が薄く、最初から最後まで、展開に意外性が乏しいと思いました。
アル中役のブルース・ウィリスや汚職刑事たちの結びつきなど、既視感の強いモチーフが多かったのも、興味をそがれる点だったと思います。
主人公が冒頭で仲間の刑事を撃ちますが、そこに至るまでの彼の心境が映画の中でほとんど描かれていないのは致命的ではないでしょうか。後に彼が以前汚職刑事の仲間だったと分かりますが、なぜ汚職に手を染めたのか?なぜ仲間をやめたのか?といった、主人公を観客が理解するための重要な要素が抜け落ちているのではないでしょうか。
また、主人公と証人との関係も、話が進むに連れ、友情による結びつきに変わっていきますが、その理由はあまり描かれていないと感じました。結局、この作品を観ながら、主人公がなぜ命を賭けてまで証人を守ろうとしたのか、最後まで判りませんでした。
例えばありがちですが、汚職刑事の背後にマフィアなどの犯罪組織があり、主人公は以前恋人を彼らに殺されたなどの設定があれば、主人公が今は仲間と離れ、すさんでいるのもわかるし、証人が彼らの罪を暴くための存在なら、主人公が必死になって守ろうとするのも説得力があると思います。また、デビット・モースはマフィアなどの圧力と主人公との友情の間で揺れ動いたであろうし、襲撃のやり方にも様々な工夫が生まれたと思います。
ラストも「ケーキを送る」と何度も言っていたのだから、あの展開では当たり前過ぎて心に残らないと思います。夕食になってもケーキは届かず、「犯罪者の約束なんて当てにならない」と言ってたところに、本人がケーキを作りに来るぐらいの展開は欲しいと思います。