1.《ネタバレ》 本作のチャプターは「現実」と「非現実」に分けられます。非現実の中には、タイトルに“夢”とあるもの、背景から異世界と分かるもの、現実の中に“あり得ないもの”が登場するもの、アニメなど様々な形態がとられています。虚実入り混じったシュールな世界。“虚”は明らか。さらに“実”も相当怪しい。温泉3人姫の話はどれもウソっぽいし、合コンピクニックは存在しなかった。ラストチャプターに至っては、ノッチ&タケフミが“ウッソーウソソ“とウソ歌を歌い踊っています。そもそも本作に“実”が存在するのか疑わしくなります。全てが虚構、夢なのか。そういえば、友達から夢(寝てる時にみるほう)の話を聞かされている感覚に似ているかも。本人は興奮して喋っていても、聞いている方はつまらない。それは、当人が夢を言葉で再現することに夢中で、“相手に伝える”という作業になっていないから。別に腹は立ちませんし、失望感もありません。でもそれは作品としては致命的なのかもしれません。本作を楽しむ感性と読解力が、自分にはありませんでした。『茶の味』は好きなのですが。