1.《ネタバレ》 LCCについての考え方がいろいろ盛り込まれたドラマのようである。
劇中で極端な物言いが多いのは気に障るが、それは普段は言えない生の本音をコメディに紛れ込ませたものと解される。しかし言葉遣いに異常にこだわる割に本質的なところで答えが出せず、その上ふざけたパフォーマンスでごまかそうとするのでは、現実の客ならさらに怒るだろうし、真面目に見ていた視聴者も小馬鹿にされた印象がある。劇中で一つ感心したのは元看護師の態度だったが、これは看護師の世界のことがそのまま航空会社に当てはまるかのように印象操作しただけではないかと取れる。
またストーリーとしては、テーマに関わる重要事項を主人公の成長にあわせて視聴者に提示していく形のようだが、そのせいで放送時間の70%を過ぎるまで主人公がLCCの意義を納得できていなかったというのは本物の馬鹿に見える。ベテランCAであれば、そういうことは初めから全部わかって納得してから来るのが当然なわけだが、このドラマでは鼻糞扱いされるために引っ張り出され、最後は見事に洗脳されて終わったようなのが痛々しい。そのほか最初は嫌な奴だったがほんとはいい人だった、というドラマ作りは幼稚に感じられ、また当面の出費より信用が大事といった普通の判断をさも立派なことのように印象づけようとする展開も姑息に見える。
そのようなことで、主張の一部が理解不能な上に全く共感できない話であった。内部ではこれで受けるのかも知れないが、世の中それほど寛容な人物ばかりでもなく、下手な作り方をすると関係ないところにも敵を作るのではないかという気もする…少なくとも自分としては制作に協力した航空会社の印象が著しく悪化した。
なお正直に書いておくと、個人的に好きな女優が誰も出ていないことも低評価につながる要因である(嫌いなのもいる)。