2.《ネタバレ》 脚本・演出・編集といったことのうち何がどのように問題なのか的確な指摘はできないが、とにかく全般的に低調に見えている。素人がこういうのも何だが、素人が映画を作るとこんな感じになるかといったところである。
ストーリーも作り物感が強く、ラストの締め方も理屈はわかるが戦慄を覚えるようなものではない。また残念なのは元の話のうちどの要素を生かそうとしたのかがわからず、題名以外は全く違う話に見えることである。特に対象物を見てはならないというのは“正体を知ってしまえば正気ではいられない”という意味だったろうから、変に実体化して小理屈まで付けてしまっては底が浅いのが丸見えになった印象がある。
加えて主演女優がきれいに見えないのも味気なく感じられる原因だろう。すらりとして長身(172cm)なのがこの人の特徴だろうと思うが、このビデオではただ単にすらりとして長身、としか見えておらず、役柄のせいもあって義姉役(所里沙子)の方がまだしも普通に好印象である。どういう意図なり事情があってのキャスティングだったかわからないが、この主演女優を魅力的に見せることも一つの使命ではなかったのか。これでは「アイドルもの」として位置づけるにも躊躇する。
そういうことでほめる点がほとんどなく、そもそもどれだけ本気で作っていたかもわからないのだが、少なくとも外見的には特にふざけたところもなく、基本的には真っすぐに作ってあると見えたので、自分としては極力好意的に評価しておく。