2.こりゃあ、にっかつから納品拒否くらったというのは当然かもしれません、ATGに持ち込んだ方が良かったんじゃない?というか、PFF(ぴあフィルム・フェスティバル)に当時エントリーされていた自主映画とどっこいどっこいです。スタッフは塩田明彦・万田邦敏といった黒沢清と同じ蓮實重彦門下生が終結しているし、プロと言える俳優は伊丹十三・洞口依子・麻生うさぎぐらいで、その他大勢の学生役にも黒沢と同じ界隈を集めて素人演技を見せてくれる。おまけにストーリーと表現方法は青臭くてなおかつ理解不能、まったくどこを褒めたら良いのか頭を抱えてしまいます。まあこの映画の果たした唯一の役割は、伊丹十三と洞口依子を結びつけたことしかないでしょう。『タンポポ』『マルサの女2』で彼女は鮮烈な爪あとを残してくれました、その後の黒沢清作品の常連にもなりましたけどね。